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岩政大樹インタビュー「自分を知るためのデータはたくさんあったほうがいい。大切なのは継続すること」

鹿島アントラーズで長きに渡って主力として活躍し、2010年南アフリカW杯の日本代表にも選出された岩政大樹選手。2014年にタイでのプレーを経て、ファジアーノ岡山で2シーズンを過ごし、2017年より戦いの場を関東1部リーグの東京ユナイテッドFCに移している。自らが書き下ろした書籍『PITCH LEVEL』が評判になるなど、ピッチ内外で存在感を放つ岩政選手はケガやコンディションについて、どのような考えを持っているのだろうか。特別インタビューをお届けする。

――プロ生活15年目を迎える岩政選手は、ケガに対してどのような考えをお持ちでしょうか?

例えば、体のどこかに痛みが出たとしますよね。でも、実は痛い箇所に問題があるわけではなくて、他の部分をカバーしようとして痛みが出たり、体の使い方が悪いことで血流が悪くなり、血が固まって痛みが出るケースなど様々な原因があります。そのため、痛みがある箇所を対処療法で治そうとしても、あまり意味が無いんですね。ケガをしたときに、ドクターから「全治3週間です」などと言われることもありますが、本当に自分の体の問題がある箇所にアプローチできれば、3週間も休む必要は無いんです。そういった知識を学んでいくことが大事だと思います。

――ケガに対する適切な対処の仕方、考え方を身につけるためにはどうすれば良いのでしょうか?

私がやっているのが、仮説を立てることです。なぜケガが起こったのか。それについてたくさん考えます。「ここが痛い」で終わるのではなく、体の使い方やメンタル面はどういう状態だったのかも考えます。ケガをする時というのは、なにかがうまくいっていない時が多いんですね。心と体は密接に関わっているので、ケガをしないためには、心も良い状態にしなければいけません。「もしかしたらこうなのではないか?」という仮説を立てて、トライアンドエラーを繰り返して、原因を探るわけです。答えは自分の感覚の中にあるので、感覚を研ぎ澄ましていくことが大事。ケガをしたとき、体に張りがあるときにそこだけを治そうとするのではなく、本当の原因を探して、そこに対してアプローチをする。そのベースになるのが、コンディショニングと言われることや、規則正しく生活することにつながっていくのだと思います。

――当社は『Atleta』という選手のコンディションを管理するツールを運営していて、岩政さんが所属する東京ユナイテッドFCでも導入しています。データを使ってコンディションを管理することについては、どのように考えていますか?

年齢や経験を重ねていくと、自分の感覚で調整することができますが、学生や若い選手はまだ感覚が定まっていないので、指針になるものはあったほうがいいと思います。体重が増えたらプレーにどんな影響が出るのかなど、数字で見ることによって気がつくこともありますよね。それがデータとして蓄積されて、より良いコンディションの作り方が定まっていきます。その意味では1、2年などの短い時間ではなく、長く続けることが大事だと思います。プロになると、少しの差が大きな差になります。その差を生むためには、まず自分がどのような状態なのかを知ることが大切です。『Atleta』は自分を知るためのツールになりますよね。

――岩政さんが高校、大学時代に『Atleta』があったとしたら、使っていたと思いますか?

使っていたと思います。自分の状況やコンディションを知りたいですから。自分を知ること、何かを知ることって、仮説を立てて検証していくことだと思うんです。仮説を立てるためにはデータが必要で、それが数字であろうが自分の感覚であろうが、知るためにはたくさん情報があったほうがいい。とくに高校生など、これから自分の体が大きくなっていく段階では、役に立つデータになるのではないでしょうか。

――おっしゃる通り、データは蓄積していくことで意味を持ち始めます。

「2年目のジンクス」という言葉がありますが、1年目は初めてのことばかりで刺激があり、変化も見えやすいので、何事も意欲的にできますよね。でも2年目になると、1年目ほどの変化は起きにくくなるので、やり続けることが難しくなってしまう。それが「2年目のジンクス」だと思います。でも、そこを越えた先に大切なものがあって、データはまさにそうですよね。『Atleta』にしても、導入してすぐに目に見えて変化があるわけではなくて、データを蓄積することで色々なものが見えてくる。毎日続けるのはつまらないかもしれないけど、そこで止めるのか、続けるのかで、その先に見える景色、得られるものが大きく違ってくると思います。

――それは『Atleta』だけでなく、物事の真理かもしれません。

何事もそうなんですよね。サッカーのトレーニングでも、ある程度できるようになったら、自分はもう習得したんだと思ってやらなくなる選手がたくさんいます。でも「その時に見えていたものはまだ本物ではなくて、本当に大切なものはその先にあるんだよ」というのは、若い選手によく話をします。昔の人は『継続は力なり』と言いましたけど、続けていくことが大きな価値になる。それはみんなわかっているけど、続けられないんですよね。という事は、続けることに価値がある。みんなが2年目で止めるのであれば、あなたは2年目もやってみなさいと。プロで成功するのは一握り。言い換えれば、その一握りの人しか続けることができないんです。続けることをすれば、その一握りの中に入ることができます。それを理解してやることが大切で、物事を極めたい、その先を見たいのであれば、2年やそこらで見える事は無いんです。それは確かなことで、誰もが続けられないことを続けた人が、『極めた』人なのだと思います。最初のうちは続けるのは大変かもしれませんが、それが当たり前になれば、ただの日常になります。とくに若い選手たちは、その意識を持って、日々を過ごしていってほしいと思います。