「記憶より記録」が選手を育てる。女子野球の魅力と“応援されるチーム”のつくり方

#68 女子野球 京都明徳高等学校 坂田 篤 監督

「記憶より記録」が選手を育てる。女子野球の魅力と“応援されるチーム”のつくり方

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2026.07.03

目次

女子野球の競技人口が増加し、注目度も高まる中、全国の舞台で存在感を示し続ける京都明徳高等学校女子硬式野球部。その背景には、女子野球ならではの魅力を大切にしながら、選手一人ひとりの成長を支える独自のチームづくりがありました。

「記憶より記録」を指導の軸に据え、Atletaを活用したコンディション管理や日々の振り返りを通じて選手の主体性を育む坂田監督。

競技力向上だけでなく、“応援されるチーム”を目指すその指導哲学についてお話を伺いました。

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女子と男子では同じ野球でも指導者視点では別のスポーツ

もともとは男子野球部を指導されていたのですね。

そうですね。男子野球部の部長をしていました。女子野球部の指導は今年で5年目になると思います。
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指導される中で男子野球と女子野球の違いはどういった所に感じられますか。

違いで言うと最初に感じたのは、エラーとかそういう自分のミスで泣いてベンチに戻って来る子がいました。
「泣いてもどうしようもないよ」ってことを伝える機会が多かったのは印象的な差でした。技術的なところで言うと、身体の作りが男女で違いますから、可動域という点では女子の方が柔軟性に優れていると感じます。
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そういった違いは指導方法にも影響がありましたか。

ありましたね。最初は何か別のスポーツを教えているのかと思えるくらい、特に投げ方や捕り方といった基本的な教え方もかなり変わりました。
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具体的に大変だった点はありましたか。

僕の感覚になかった、投げるボールの軌道の違いですね。専門的な話になりますが、男子がボールを投げると基本シュート回転(ボールが利き腕側にスライドしたり沈んだりする現象)するんですね。ですが女子はスライダー回転という逆の回転になって曲がり方が違うんですよ。男子ではスライダー回転の指導経験がなかったので、どうやって投げたらそうなるのか分からず。ですが、指導する中で女子選手に多い傾向だと分かったので、女子特有の可動域が関係していると感じています。
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選手の個性を生かして、純粋に楽しく盛り上がれるのが女子野球の魅力

スポーツ人口が減ってきている中で、逆に盛り上がりを見せ始めている印象があります。

確かに、野球人口そのものの減少も叫ばれていますが、実際女子野球の人口は増加傾向にあります。我々高校の指導者が中学生を見に行っても増加を感じられますし、近隣の公園とかでも女の子の選手をよく見るようになって、 一昔前にはなかった姿だと感じています。僕自身も女子野球の世界に来た時に、想像以上に女子選手やチームが多いことを知って衝撃的でしたね。
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坂田監督が思う女子野球の魅力とは何でしょうか。

女子野球連盟も含めた競技全体の柔軟性が高いことですね。女子野球はまだ歴史も浅い中で、選手の個性を生かした運営スタイルを取っていて、そこは男子とは全然違います。
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そんなに大きく違いがあるのですか。

全体的に雰囲気が違いますね。女子野球は感情的な喜びを素直に表現できるする選手が多いのが、魅力の一つにあると思います。また、ユニフォームやグローブなんかも華やかで明るいチームが多くて、競技全体を通して個性が出やすいところも魅力的です。
それだけ純粋に楽しく盛り上がってできるスポーツだと思います。
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イチロー選手のチームとの試合が毎年話題になっていて、知名度も少しずつ上がっている印象があります。

選手たちもドリームチームと試合が出来て嬉しいですよね。イチローさんの貢献はとても大きいと思っています。
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監督が考える女子野球に対する展望はありますか。

どのチームも今は全国大会に出られることが、魅力の1つだと思っています。
男子野球だと各都道府県に大体50〜60チームあって、そこから地域予選を何度も勝ち上がってやっと全国…という流れですが、女子野球って全国で60チーム超えたくらいなので地域予選とかもあまり無いんですよ。

地域によってはチーム数が増えてきている一方で、まだ1チームもない都道府県もあります。
各都道府県に1チーム以上ある状態になり、本当の意味で全国大会を続けていける規模になってくれることを期待しています。
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しんどいと感じた時にはもう遅い、意識すべき夏場の練習環境

選抜大会のトーナメント表を見ると、関西と東北が強い印象を受けます。

関西がもともと強くて、最近になって東北も力をつけていますね。だから今はうちも関西でのトーナメントやリーグよりも全国の他地域のチームと当たった方が勝てたりします。
それでもうちは関西ではまだまだなので、他地域の監督さんからは、「これで強い方ではないということは、関西はかなりレベルが高いのですね。」と言っていただけたりします。
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夏の大会は熱中症対策も重要な時期ですが、女子野球でも対応は進んでいますか。

男子に準じた形で試合中のクーリングタイムは設定されていますね。攻守交代のタイミングでちょっと長めの休憩時間は設けられていますが、例えば甲子園とかだとちゃんと涼しい休憩部屋が用意されていたり、設備がある程度整っていたりすると聞いています。ですが他の会場にそのような設備があるわけではないので、各チームでそれぞれ工夫して、日陰に座って休ませたり、氷嚢等のアイシング剤で意識的に身体を冷やしたりしています。
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普段の練習中での対策を教えてください。

具体的に気温が何度だったらといった基準は設けていませんが、暑いなと感じれば練習時間を調整するとか休憩を多めに取るとか、昼休みもしっかり冷房の効いた部屋に長めに過ごさせるといった対応をして気をつけています。

15分おきには水分補給させるようにしています。熱中症はしんどいと感じた時にはもう遅いので、少しでも体に異常を感じたらすぐに報告してもらっています。今のところ重度の熱中症で救急搬送が必要になったといった事は起きていません。
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Atletaでも暑さ対策をサポートできたらと考えているので、お力になれると嬉しいです。

Atletaのアップデートのスピード感って本当に凄いなと思っていて、以前担当の方に「スケジュールにファイル添付できたら良いな」なんて意見を伝えたら、先日早速アップデートされていて、しっかり使わせてもらっています!
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「記憶より記録」 Atletaから見えてくる選手たちの意識

Atletaに興味を持ったのはどんな機能でしたか。

最初はやはりスケジュール管理が便利そうだと感じた点ですね。あと、導入前は交換ノート形式で日誌を書いて部員の中で回す運用をしていたのですが、Atletaを知って、この運用が全部アプリで完結するなと感じたのが導入の決め手でした。僕自身が記録を積み重ねていくことを重視していて、選手にも常に「記憶より記録」と言ってきた人間なので、そういった記録を今は何でもスマホに残す世代の選手にとってはスマホ一つで続けられるし、その記録を一括で確認、スケジュール管理もできて…もう一石二鳥にも三鳥にもなる印象でした。
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「記憶より記録」というキーワードは、以前から大切にされている考え方なのでしょうか。

恩師に言われてきたことなのですが、人間の頭ってどうしても忘れていくものだから、書いて残して、それを時折見返して振り返るとその時に考えていたことが蘇りますよね。でも、そもそも書いて残していなければそれを考えていたこと自体も分からなくなります。 僕も現役時代は顧問の監督にちっちゃいノートを渡されて、いつでも書けるようにしなさいって教わってきたので、僕も指導者として選手にそうさせるようにしています。
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自身の経験もあっての指導なのですね。

これを今ではスマホアプリで残すことができるのは本当に便利だと思いますし、意識次第ではありますが、選手によってはめちゃめちゃ細かくコメントを残す子もいれば、あっさりしている子もいるんです。そんな子たちを比べるとやはりきちっと積み重ねられている選手の方が結果が出て、やっぱそうだなって実感できますね。
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コメントをしっかり残せる選手ほど、自分と向き合えているということですね。

そうですね。日々の練習の姿を見ても、前日コメントに残していたことを意識して練習できているなって僕には映りますね。そうやって目的や目標を日々更新しながら設定することを選手自らやってくれているので、こちらが言ったことをやることも大事ですけど、自分でこうなりたい、あれしたいを定めてそれで追っかけていける選手は動きが違うなと感じます。選手の意識や考えがリアルタイムで見えてくるのがAtletaを使う良さだと感じます。
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コメント量に差があるとのことでしたが、声掛けしたりすることはありますか。

以前交換ノート形式だったものをアプリに変えたことで、周りがどれだけ書いているか見えなくなったので、今後はそこのフィードバックしていく必要はあるなと考えています。とにかくまずは量かなと思っているので、周りのコメント量を知ってもらって『もっと書こう』とか『細かく残していかなければ』と意識してくれる選手が増えてくれることを期待しています。
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食事もしっかり続けられている選手がいますね。

これもコメントと同じで、継続できる子とできない子がはっきり分かれましたね。で、それぞれの名前見たら、「あぁやっぱりそうだよな」って僕の感覚とも一致する部分はあります。まぁ食事について最近は僕から声掛けしていたわけでもないのですが、それでも続けられている選手と言われないから止めちゃった選手で差が生まれていると思います。たかが食事の記録と思われますが、それが積み重なったらこうも違ってくるんだよということは、今後選手たちにも自覚してもらいたいところですし、これが先ほどもお話した「記憶より記録」の差だと思います。
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継続できている選手の身体や、意識の変化を感じることはありますか。

最初の頃は基本的に『エネルギーが不足しています』って表示される選手が多かったのですが、選手の中でちょっとずつですけど意識していく中で適正になったり、たまには摂り過ぎと出たり、まぁ細い子に摂り過ぎと表示されるのでそれは良いと思っています。 Atletaに記録すると、実際食べた物の栄養素が分かって気にするようになりますし、パフォーマンスを上げるために食事が大事だと気づいてもらえると思うので、続けられている選手は意識も高まっていると思います。
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保護者さんもAtletaをご利用いただいていますが、問題なくご利用いただけていますか。

連絡ボード機能を使って保護者全体にまとめて案内を出せているので非常に便利です。以前はLINE のグループを使ってとか、子供と保護者を分けてだとか面倒な作業をしていたのですが、Atletaで一括して連絡できるので、僕の仕事の時短になっていますし、これまでパソコンが必要だった連絡もスマホで完結できるようになったのですごく便利になりました。保護者側もリアルタイムでその連絡の通知を受け取れる状態になったので、使い勝手は良いのではと思っています。
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真の『応援されるチーム』

チームとしての今後の目標を教えてください。

うちの活動目標が『目的は人生、目標は甲子園』って言っているので、全国上位にずっと出ていけるようなチームになってほしいと思っているのが一つです。あと、女子野球部としては全国に京都明徳の名前を広げていきたいという思いがあるので、どこに行っても「女子野球の京都明徳」と言われるようになりたいです。今だとうちはダンス部が強くて認知度も高いので、そこに追いつけ追い越せではないですが、「京都明徳って女子野球強いとこだよね!」と全国規模で言われるようになっていきたいです。
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京都マラソンのボランティアなど、地域貢献活動にも力を入れられていますね。

公式戦の球場に保護者や学校関係者が応援に来てくれるのは当たり前で、地域の人が球場まで足を運んで応援しに来てくれるチームが本物の『応援されるチーム』なのだと僕は選手たちに言っています。なので、学校近隣の方には挨拶するとか、地域の人たちとの交流というのは大切にしたいと思っていて、最近だと宇治の少年野球チームとの交流会にも参加させてもらいました。実際に応援されるチームになることはとても難しいことだとは思いますが、それを実現できたら本当に凄いことだと思うので、実現させたいです。
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京都明徳高等学校 女子野球部(きょうとめいとく)
坂田 篤 監督(さかた・あつし)

<チームの情報> 2026年5月現在
メンバー:30名
管理者・スタッフ:3名
Atleta導入時期:2026年2月

<チームの主な成績>
第21回全国高等学校女子硬式野球選抜大会ベスト16
第22回全国高等学校女子硬式野球選抜大会ベスト16
第23回全国高等学校女子硬式野球選抜大会ベスト16
第27回全国高等学校女子硬式野球選抜大会ベスト8

第9回西日本女子硬式野球大会 3位トーナメント進出
第10回西日本女子硬式野球大会 3位トーナメント進出