Atleta通信

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2021.08.31

部活動×ICT教育で得られる『振り返る力』の重要性とは

【活用事例】#21 サッカー 千葉明徳高等学校

目次

時代をリードできる「行動する哲人」の育成を目指し、全校で1人1台のiPadを導入している千葉明徳高等学校。そんなICTに特化した学校のサッカー部女子はAtletaも導入し、日々の活動の振り返りに活かしています。

今回そんな文武両道で最先端の指導をしておられる渡辺監督より学生時代からICTに触れる意義や振り返りの重要性について熱く語っていただきました。

Atleta導入したてのころは「自由に使ってみな」くらいの感じ

この度はインタビューへご協力いただきありがとうございます。

日頃からAtleta通信の記事をよく読んでいました。特に競技に関わらず他校のチームの指導者がどのようなモチベーションで指導されているのかが気になるので、インタビュー記事はよく読んでいます。
私自身もAtletaに日頃からお世話になっている身として何かご協力できたらなと思いました。
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ありがとうございます!Atleta導入の経緯を教えてください。

何かを成し遂げたいと目標を立てた時に、そこに向けて記録を取ることは非常に重要と考えていました。スポーツにしてもビジネスにしても、何かを成し遂げる人には『書き留める力』『振り返る力』が備わっています。私は選手たちにその力を持ってほしいと考えています。
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記録を残す重要性を感じておられたのですね。

最初はサッカーノートの導入を考えたのですが、本校はICT教育に力を入れていて、選手たちもデジタルに慣れている状態だったので、記録もデジタルの方が便利ではないかと悩んでいた時期がありました。そんな折にAtletaの方とお会いする機会があり、Atletaを知りました。また、この時ちょうど私が指導者としてサッカー部女子に入った時期でもあり、チームを新たに構築する上で面白そうだと感じたので導入を決めました。
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ノートなどの紙媒体を経由せずにいきなりAtletaを導入したとのことですが、選手たちには抵抗はありませんでしたか。

ありませんでした。というのも、Atleta導入したてのころは「自由に使ってみな」くらいの感じであまり強制させていませんでした。何事もがんじがらめにすると上手くいかないことが多々あります。例えば学校から生徒たちに支給しているタブレット端末も「こう使いなさい!」と強制すると上手に使いこなせなくなります。だから「機会を与えるから、自分で模索しながら記録つけてみるといいよ」と促す程度でした。
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「導入したからしっかりやれ」ではなく、あくまで機会を与えて促す程度から始まったのですね。

そうすると、できる選手は真面目に記録を始めます。もちろん逆に全くやらない選手もいましたが、そうこうしているとコロナ対策として学校側で必須の健康チェックなど、競技以外のことも記録する必要が出てきました。これらは記録として残す必要がありますから、自然とAtletaに触れる機会が増えてきました。そこからチーム全体でのAtletaの利用率が上がってきた印象ですね。
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負担になって苦になっちゃうと続かない

選手たちに記録させているコンディション項目は最小限に抑えられている印象なのですが、これはやはり選手たちの入力負担を減らすといった意図があるのでしょうか。

そうです。基本的に負担になって苦になっちゃうと続かないですからね。あくまで最小限でこちらが把握しておきたいことを項目にしています。項目については今も模索中ですが、ここからサッカー以外の部分も含めて自発的に書くことを待っている状態です。
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コンディション管理の中で『自主練習の内容』や『何を学んだかチェック』といった項目作成されていますね。選択肢も細かく設定されていて面白いなと感じました。

これもそうで、選択肢を細かく設定しているのは記録の負担を減らすためです。
また、選択肢にしておくことで、何をどれだけやったのかを量として記録できて振り返りやすくなります。『何を学んだか』については、まずは自ら学んでいって欲しいと思い項目化しています。プレー以外でもアンテナを張りながら日々学習してほしいです。
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女子選手ということでコンディション管理の中で月経チェックもされていますね。

こちらは女性のトレーナーとも相談しながら見ているのですが、月経によってケガのしやすさが変わってきます。選手がケガした時に何が1番要因だったのかを確認できる状態にして、選手ごとの練習強度を設定する上で参考にしています。また逆に追い込みすぎて月経が止まってしまうこともあります。将来のことを考えても重要な成長期の中でこのようなことが起こってしまうのは良くないので、日頃の練習から予防できるようにという観点からも記録しています。
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『見えないつながり』から大きな成長が生まれる

コメントに書く内容は指定していますか。

練習の振り返りはもちろん、それにプラスして勉強面のことや家での過ごし方を書いてくれている選手が増え始めている印象ですね。私の指導観ですが、例えば『サッカーだけ』もしくは『勉強だけ』というように、『○○だけ』ではそれ以上の成長は絶対にないと思っています。色んな要素はどこかで繋がっていて、その見えない繋がりから大きな成長が生まれるものだと考えています。サッカーの成長のためにサッカー以外のことが大切だという『見えないつながり』を選手には気づいてほしいです。
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渡辺監督から選手へ振り返りのコツをアドバイスすることはありますか。

めちゃめちゃしますね!特にプロのアスリートの実例をよく話しますね。競技は違いますが、私の同世代のプロ野球選手に丸佳浩選手がいますが、彼はすごくメモ魔なんですよね。気づきがあればメモる、悪いことがあればメモる。「そういった面があるから今ではプロ野球界を代表するような選手になったんだよねぇ」と、あえて回りくどく言って選手自身に気づかせるようにしています。
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実際にプロの世界で活躍しているアスリートの話は説得力ありますね。

あと、コメントはちゃんと書き言葉で書きなさいと伝えています。進路のことを考えた時、文章力はとても大切です。誰かに読まれる文章を書けると、エントリーシートや小論文に活きてきますから。
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コメント機能を使って渡辺監督からコメント返信することはありますか。

基本的には返信しないと選手たちには伝えています。指導者側がコメントを返し出すと、返されるコメントを気にして、指導者側の顔色を見ながら記入しちゃうと思うんです。だからすごく良い時やもしくはすごく落ち込んでいる時以外は返信していないです。
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コンディション管理をメインでご利用いただいていますが、今後利用したい機能などはありますか。

次のステップとして食事管理はやりたいです。長期休暇のタイミングで試験的に導入して慣らしていけたらなと思います。あとはフィジカルテスト。定期的に記録を残していきたいです。
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食事管理については短期的にでも試していただいて、選手が自分の食事の傾向を把握するところから進めてもよいかと思います。

高校生活は3年間ですが、卒業後も自分の身体と向き合うことが必要で、これからの人生の方が長いです。多感なこの時期にこそ自分の体力面、食事面、健康面を数値として知ることは大事だと思います。卒業しても健康的でいてほしいし、サッカー選手にならないにしても運動できる状態をキープしていてほしいですね。何事にも身体が資本ですから、自身の身体にアンテナを張れる人間にしたいです。
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何年か先、「やっていて良かったな」と思ってもらえると確信している

Atletaでの記録に当たり何かルールは決めていますか。

遅くても毎晩20時までには記録するようにしています。締め切りが無いとダラダラ締まりのない生活になってしまうので、そこは目安として設定しています。この締め切り時間については他の顧問の先生にチェックしてもらっています。
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締め切り時間を設定していることが高い入力率の要因ということですかね。

人ってどうしても忘れちゃいますからね。本当は寝る前の時間が良いのかもしれないのですが、練習が終わって寝る前までに時間が空いてしまうと、時間経過と共に想いが変わっちゃうと思います。だから『鉄は熱いうちに打て』じゃないですけど、できるだけ早いうちに書かせています。
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渡辺監督はどのタイミングで選手の記録を見ていますか。

私は毎晩寝る前に布団の中で選手たちのコメントを読んで『いいね』ボタンを押して寝ています。
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『いいね』ボタンは必ず押されているのですね。

はい、必ず押しています。前はこのボタン無かったですよね?できて本当によかったと思います!
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ありがとうございます。『いいね』ボタンは他の指導者の方々にも好評いただいています。コメントをチェックして気になった選手には翌日声掛けされていますか。

ケガして落ちている選手には特に声を掛けますね。あと普段の学校生活の中でも選手に会った時は「昨日の振り返り良かったよ」みたいに話しかけています。これによって選手としては『見られている』と意識し、そこから『ちゃんと書かなきゃ』って感覚になれると考えています。また、『見てもらえている』って感覚にもなれると思うんです。別に監督だからって偉そうに振る舞うのではなく、1人の人間として単純に頑張っていることを褒めたいです。
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選手たちも反応がもらえることでAtletaに記録を残す意味を感じ取れていると思います。

だからこそどんなに忙しかろうが必ずAtletaは絶対に見ますし、特にコメントは毎晩楽しみにしています。今では毎日『いいね』ボタンを押さないと気持ち悪くなっているくらいAtletaがルーティン化しています。実際に選手がAtletaについてどう思っているかは分かりませんが、何年か先、「やっていて良かったな」と思ってもらえると確信しているので、今後も続けていきたい習慣です。
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Atleta導入以降、チームの中で何か変化は見られますか。

選手たちの『振り返らなきゃ気持ち悪い』という感覚ができてきたかなと思います。今までは練習したらそれで終わり、試合後も一部の選手しか振り返りしないという程度で、全員に振り返りの意識がなかったのですが、2年程Atletaを使い続けてきたことで、振り返りが根付いてきた印象はあります。
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選手への負担を最小限にしながらしっかりポイントを押さえコンディション管理をされている渡辺監督は非常にAtletaの使い方が上手だと感じました。

選手が私の考えを素直に受け止めてくれて「やってみよう」と思ってくれたことがポイントだと思います。記録しないと気持ち悪くなった状態から、これからはもっと選手たちと一緒に記録する内容を吟味して、更に質の高い記録になるようにルール決めをしていけたらなと思います。今はチームとしても「勝ちたい」という想いが強まっているので、良いパフォーマンス実現のためにAtletaが役に立っています。
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自分を知ることがチームのためにも繋がる

そんな今のチームの目標を教えてください。

選手が立てた達成すべき目標は、選手権でベスト4に入ることです。あとはリーグ戦残留。監督の気持ちとしては、近い将来全国の舞台に行きたいというのはありますね。ただ、とにかく目の前の目標をひとつひとつクリアすることで、全国が見えてくるのかなと思います。
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最後に選手に向けて伝えたいことを教えてください。

とにかく振り返りの重要性ですね。自分を知ることがチームのためにも繋がるということを感じてほしいです。ひとりひとりが『自分のことを考える』ことがチームに還元されます。あとは、文明の利器として、Atletaのようないいものが増えていますから、良いものを積極的に活用していくということも感じてほしいです。学校内の人間だけではなく、トレーナーさんやAtletaの担当者の方々など、様々な人のおかげでサッカーができています。様々な人に応援してもらっているということを感じ、今サッカーができていること、『見えないつながり』へのありがたさを感じながら、今後も活動を続けていきます。
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千葉明徳高等学校 サッカー部女子監督 / 渡辺 哲史氏

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千葉明徳高等学校(ちばめいとくこうとうがっこう)サッカー部女子

<チームの情報>2021年7月現在
選手数:20名(内マネージャー5名)
指導者数:顧問3名、外部トレーナー1名
Atleta導入時期:2019年5月

<主な成績>
[2021年度]
千葉県 U-18 女子サッカーリーグ1部
千葉県高等学校総合体育大会サッカー女子の部 ベスト8
[2020年度]
千葉県高等学校女子サッカー選手権大会 ベスト16