2022.09.14

「自分のことを自分で守れる選手になることが大切」 Wリーグ所属チームトレーナーの想いとは

【活用事例】#39 バスケットボール Wリーグ所属チームトレーナー 内田幸織 氏

目次

『Atleta』ユーザーは部活動チームだけではありません。
各競技のプロチームでもご利用いただいています。
その中でも今回はリーグ全体でご利用いただいているWリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)所属チームの内田トレーナーにお話を伺うことができました。
『Atleta』を使いこなす内田トレーナー独自の活用方法や、女子トップチームトレーナーとしての仕事論、また内田トレーナーが目指すトレーナー像など、たっぷりお話を伺いました。

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『Atleta』を使って情報の見落としが少なくなった

昨シーズンからWリーグに参入されておよそ1年間『Atleta』をご利用いただいているかと思いますが、ご利用されてみていかがだったでしょうか。

私が今のチームに来たのが2019年で、当時は社会人リーグでした。その頃はまだ『Atleta』を導入していなかったので、私が以前まで所属していたBリーグチームのコンディション管理を参考に作成した紙ベースの管理表を使って、選手たちのコンディション管理をしていました。
Wリーグ参入をきっかけに『Atleta』を利用させていただくようになってから、紙で運用していた管理がアプリでできるようになったので、とても便利になりました
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『Atleta』は内田トレーナー以外のスタッフもご利用されていますか。

はい。ヘッドコーチやマネージャーも見てくれています。なので、チームスタッフ全体的に、私に聞かないとわからないことが少なくなったと思います。
スタッフそれぞれがアプリで選手たちの状況を把握してくれているので、情報の見落としが少なくなったなというのが、1年間使ってみて感じたことです。
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とても有効的にご利用いただけたのですね。ありがとうございます。

コンディション一覧に表示する項目を設定できる機能ありますよね。私はそれをよく使っていて、例えば最近だと、発熱する選手が増えてきたので、コンディション一覧に体温とコメントだけを表示させてすぐに確認できる状態にしたり、他にも比較したい2つの項目を表示させて見比べたり、毎日色々なパターンに表示を切り替えて利用しています。
他のスタッフとは違った見方をしているので、たぶんチーム内では私しかこういった使い方していないと思いますけど、とても便利で好きな機能です。
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『Atleta』の中でコンディション機能の他にもご利用いただけている機能はありますか。

ほんとにフル活用させてもらっていて、トレーニングのアナウンスを『Atleta』のスケジュール機能を使ってやっているんですよ。
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トレーニングをスケジュール機能を使ってですか。

スタッフから選手への連絡は主にLINEのグループチャットで行っているのですが、そこにトレーニングのアナウンスを私からしてもすぐに流れて見逃されてしまうんです。だから『Atleta』のスケジュールにトレーニング内容と対象者を登録して、選手たちに通知が行くように設定しています。『○時からウエイトだよ』といった感じに。
上手くツールを分けられれば連絡漏れもなく助かるという声を選手たちからもいただきました。
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様々な機能をご活用いただけていてとても光栄です。

こちらこそありがとうございます。正直これでもまだ活用しきれていないのではなんて思っていました。でも連絡ボードやメッセージも結構使っていますよ。連絡ボードではおすすめのプロテインやサプリの情報などを選手たちに共有しています。
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「おかずを増やしてお皿をたくさん使って欲しい」とリクエスト

機能的にご利用いただけているようですね。とてもありがたいです。ヘッドコーチも『Atleta』チェックされているのですね。

そうですね。選手がコメント欄からヘッドコーチ宛にメッセージを送ったりしていたこともあって、コンディションとは関係なく。
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それはいい関係ですね。

それに対して是非とも直接返してほしいので、「ちゃんと返信してくださいね」と、私からヘッドコーチにお願いしたこともありました。
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女子選手ということで月経管理もトレーナーとして気にされているかと思いますが。

『Atleta』はルナルナと連携できるので、選手それぞれで管理してもらっているのとプラスで『月経周期』という項目を作って入力してもらっています。
『Atleta』で周期と実際の生理痛の度合いを見て、普段と違うようであれば声をかけるようにしています。
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選手たちは寮生活なのでしょうか。

はい、会社の寮に住んでいます。そこの寮は他の社員さんも利用されているのでチーム専用の寮というわけではないです。
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食事は寮から提供されるのでしょうか。

はい。朝食と夕食は寮から提供してもらっています。どうしても午前中は選手たちも仕事をしているので、昼食は自分たちで準備して14時から練習といった感じでバタバタになってしまうので、昼食をしっかり摂れない選手も出てきてしまっていますね。
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寮から提供してもらう食事というのは他の社員さんと同じものなのでしょうか。

選手たちにはカロリー多めのアスリート食を用意してもらっています。
専用の食事を用意していいただく上で私から食堂の担当者に「おかずを増やしてお皿をたくさん使って欲しい」とリクエストさせてもらったこともありました。おかずが多いとお箸が動いてドカ食いにならないんですね。そうするとバランス良く食べられますからね。
あとは炊飯器の隣に計りも置いてもらっているので、選手たちには食べる量も意識してもらっています。
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地域の育成年代チームとの交流などはありますか。

バスケットがとても盛んな地域なので、ミニバスケットボールチームを持つ学校に声を掛けさせてもらってクリニックをやったり、私たちの新しい体育館ができたので、高校生たちを招待して合同練習やったりなんかもしています。
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それは育成年代にとっても良い経験ですね。合同練習というのは具体的にどういった内容なのでしょうか。

それぞれのカテゴリーによってニーズも違うので練習内容は様々です。
たとえば、ボールのキープの仕方や、そのときの身体の使い方や動きを細かく伝えたりしていますね。高校生とうちの選手をペアにして、できるだけ高校生がプロの選手と交流できるように選手たちも取り組んでいます。
このような活動があると地域貢献にもなると思いますし、これを機に選手たちやチームのファンになってくれる子どもたちや学生が増えると嬉しいです。
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私の最終目標は育成年代を対象にしたトレーナーになること

『Atleta』は高校年代のチームの利用者が多いのですが、高校世代は1日に数試合続く機会がとても多いんですよ。そんな試合が続いてコンディション調整が難しい高校世代のアスリートたちにプロチームのトレーナーとしてアドバイスをいただけますか。

えー!なんだろう…。でも確かに、私も高校時代に1日に複数試合やる日ありました。まぁでも高校生は元気ですもんね。だから私もできてたんだろうなぁ。
私が選手を見る立場になって思ったのは、最初の試合に向けての準備と次の試合に向けての準備は全く違うということです。
極端に言うと、最初の試合のウォーミングアップと、2試合目に向けてのウォーミングアップはガラッと変えるべきだと思います。2試合目に向けたウォーミングアップはなるべく脚をたくさん動かして、短時間で瞬発系の動きを取り入れると、ただただ疲れることはなく、でも心拍数を上げられる効果がありますし、疲労を感じさせないようなアップを取り入れられるといいかなと思います。
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内田トレーナーが高校時代だった頃はコンディショニングや食事など意識されていましたか。

実は私高校2年生のインターハイ予選の時に前十字靭帯をケガしてしまいまして、そこからリハビリ生活が続いて復帰したんですけど試合出場は20秒ほどで、その後引退の決断をしたんです。
ケガをしてからは病院や整骨院にお世話になりながら毎日治療やリハビリをして過ごす高校時代でした。その時に「どの部位がどうなってて、だからここの筋肉が必要で、そのためにはこの栄養素が必要で、だからこれを食べなきゃいけなくて…」とかそういうことを高校生相手にも正しく丁寧に教えてくれる人が周りにいたら何か少しでも変わってたのかなぁって、今となって思うんです。
だから私の最終目標は育成年代を対象にしたトレーナーになることなんです。
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そうだったのですね。

確かにトップチームは魅力的だし、プロフェッショナルな選手たちのサポートが続けられたら最高です。けど、Bリーグで先輩トレーナーと出会って、私がケガした時にこんなトレーナーさんが専属で居てくれたら変わっていたのかなとすごく感じたので、高校生に対しても適切な指導ができるトレーナーが必要だなと思いました。
私の経験も踏まえて、育成年代の選手たちには、もしケガした時に自分自身の身体に起こっていることにもっと興味を持って、気を使えるような選手になってもらいたいと心から思います。その上で、自分で調べることはもちろん大事だけど、病院や整骨院の先生などの専門家に聞く、教えてもらう勇気を持ってほしいです。
自分のことを自分で守れる選手になることが大切だと思います。
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育成年代の選手に向けたメッセージありがとうございます。ちなみに、内田トレーナーは高校時代のご自身の経験からトレーナーを目指されたのでしょうか。

私ホントは英語の先生になりたかったんです。
だから高校は英語科がある学校に通いました。でも、自分の中で(これ以上は)ないなと思ったケガを高2というこれから進路を決める大事なタイミングでしちゃって、そこでトレーナーという職業の方に初めて出会いました。「こんな仕事あるのか!!」と興味が湧きまして、お世話になったトレーナーさんと同じ仕事がしたいなって気持ちがどんどん強くなりました。
怪我をしたことによって出会えた人がいて、その人が私の人生を変えてくれました。
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でも、トレーナーって英語が必要になるタイミングもあるんじゃないですか。外国籍の選手もいらっしゃるでしょうし。

そうですよね。それこそBリーグでは外国籍選手と接することが多かったですし、英語の勉強が思いもがけないところで役に立ったので嬉しかったですし、今も英語力を落とさないように身の回りは英語にしています。
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今シーズンに向けて

Wリーグ2年目に向けて先日もサマーキャンプを終えたばかりですが、シーズンに向けたチーム状況はいかがでしょうか。

サマーキャンプはまだチームができていない状態の中で、選手個々がアピールする場所でもあるので、その中で選手一人一人頑張っていたと思います。
練習試合を重ねるごとに良いプレーが増えて、今まで見たことなかったようなプレーも見られたのでとても楽しみです。
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チームは良い準備ができているのですね。

あとは移籍選手と大卒で入ったルーキーたちの力はチーム全体にとって良い刺激になっていると思います。同じチーム内でも負けたくないという思いが強い選手が出てき始めたので、良い感じだと思います。
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チーム内で張り合うこともチーム強化にとって重要ですからね。

試合中は、感情を出しすぎないように一応気にはしているんですけど、良いプレーの流れからシュートまで繋がっていくのをベンチの後ろで作業しながら見れると、すごい拍手しちゃってますね(笑)。「あぁー、やっぱこれだ~!」って思うんですよ。トレーナーとして、ケガしていた選手が復帰するのも嬉しいし、一緒にトレーニングする中で選手の動きが良くなっていくのもすごく嬉しいんですけど、やっぱり試合の中で選手たちが活躍してくれることで元気をもらう機会がとても増えたなと感じています。
トレーナーの私がそう見えているということは、ファンの方や選手の家族はもっと嬉しいと思いますし。そんなたくさん良いプレーが増えたり、プレー中に選手間でのコミュニケーションが増えたりもしているので、シーズン開幕までにこの良い連鎖が続けば良いなと思います。
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内田 幸織(うちだ さおり) トレーナー

<経歴>
生年月日:1991年9月25日
出身地:福島県
出身高校:福島県立郡山高等学校
前所属チーム:Bリーグ 三遠ネオフェニックス(B1)

<保有資格>
鍼師・きゅう師