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FC琉球が初のJ2昇格!「トレーニング負荷管理」を取り入れてケガによる長期離脱ゼロ

昨シーズン悲願の明治安田生命J3リーグで優勝し、明治安田生命J2リーグへ昇格を果たしたFC琉球は、コンディション管理に注力するため2017年よりフィジカルコーチとして三栖英揮氏を招きました。
三栖氏によるコンディション管理で、FC琉球はシーズン中に故障者を出さず、好調を維持して優勝。FC琉球を就任から2シーズンで優勝に導いたコンディション管理術について三栖氏へのインタビューを行いました。

プロフィール

三栖英揮 Dr.ARMS 所属(株式会社M’s AT project 代表取締役)
鹿児島ユナイテッドFCコンディショニングコーチ

スポーツ医科学に基づくコンディション管理システムをユースからプロチームまで、幅広いチームに提供している。
國學院久我山高校サッカー部コンディショニングコーチを務め、2017 年~2018年にはFC 琉球をサポート。

 

 


「トレーニング負荷管理」とは?
―― FC琉球で2018年シーズンに取り入れたコンディション管理方法「トレーニング負荷管理」とはどのようなものですか?

コンディション管理は、基礎的な体力水準の向上、ケガの予防、リカバリー(疲労回復)の観点からアプローチします。体力水準の向上、ケガの予防は様々なフィジカルトレーニングを実行することで取り組みます。
2シーズンの中で試行錯誤しながらトレーニングを行ってきましたが、とくにチームにマッチして効果があったのが「トレーニング負荷管理」という手法でした。

FC琉球の本拠地である沖縄は暑熱環境や台風などの自然災害もあり、アウェーの試合には飛行機で移動するなど選手のコンディショニングが難しい環境でした。
そういった中、「ケガをする」という選手にとって最悪の状態を回避し、様々な環境の中でもベストコンディションを保つため、ICTを用いたコンディション管理サービスの『CLIMB DB』を導入し、「トレーニング負荷管理」を行って、日々のトレーニングが適切に行われ、効果を発揮しているか、また、ケガなどのコンディション悪化に繋がる状態になっていないか毎日モニタリングしました。
「トレーニング負荷管理」は『CLIMB DB』上で選手が運動強度(主観的)を入力し、その日の練習時間と掛け合わせて、その日のトレーニング負荷を算出して管理する方法です。

※選手が練習後に入力した運動強度の一覧

長期的な負荷と短期的な負荷の比率が、150%以上になるとケガの危険性が増すことが報告されています。(Blanch P. Gabbett TJ. 2015)。そこでチームのトレーニング負荷が80%~130%の間にコントロールされるようにトレーニングを計画し、実行しました。
沖縄では台風などの予期せぬトラブルの影響で、練習が十分に出来ない期間が出来てしまうこともあります。その後の練習では相対的に練習強度が高くなってしまい、負荷を調整したつもりでもトレーニング負荷が150%を超えてしまうこともありました。そのような期間は特に細心の注意が必要でした。

※白の棒グラフはトレーニング時間、黄色の折れ線は算出したトレーニング負荷の数値

一番左のグラフは、台風で十分なトレーニングができなかった週です。台風が過ぎて通常のトレーニングを再開すると、選手たちはより負荷を高く感じていることがわかります。
『CLIMB DB』を通じて選手に入力してもらった情報をもとにデータを出すという簡易的な方法ではありますが、日々のトレーニング効果を把握し、オーバートレーニングを防いで選手のコンディションを保つ上で有効なデータとなりました。

ICTを用いたコンディション管理の利点
―― 選手がスマートフォンからコンディションを入力し、管理できる『CLIMB DB』はどのように役立ちましたか?

私は様々なチームをサポートしており、拠点が東京にあるため、シーズン中は東京と沖縄を1週間毎に行き来していました。選手には『CLIMB DB』を通じて毎日運動強度を入力してもらい、私が東京に居て直接の指導ができない日でも、毎日リアルタイムに選手たちのデータを確認することができました。
「トレーニング負荷管理」を通じて選手たちにトレーニングの意図を伝えられるだけでなく、難しい沖縄の練習環境の中で、私自身トレーニングが適切に行えているか客観的に見て判断する指標になり、重宝しました。

ケガによる長期離脱ゼロで選手が力を発揮!
―― 『CLIMB DB』を用いた「トレーニング負荷管理」を取り入れて、チームにどのような効果がありましたか?

「トレーニング負荷管理」はトレーニング効果を確認し、試合に向けて良いコンディションに調整するだけでなく、オーバートレーニングの防止にも繋がります。
FC 琉球では2018年のシーズンを通して、長期離脱する故障者をゼロに抑えることができました。
長いシーズンの中で故障者やコンディションが悪い選手がいるとチーム力が低下する原因にもなります。コンディションを管理し、選手のパフォーマンスを維持する事もチーム強化の一つだと思います。
コンディション管理の結果、選手たちが良いパフォーマンスを発揮し、シーズンを通じて順調に勝ち星を積み上げられたことも優勝に繋がった理由の一つだと考えています。

コンディション管理はチームや環境に大きく影響を受けます。今後もICT を用いたコンディション管理を活用して、「トレーニング負荷管理」だけでなくコンディショニングを通じたチーム強化をどのように進めていくか戦略を練り、チャレンジしたいと思っています。