高校から競技を始めた選手でも、全国の舞台へ。選手を育てた“認め合う文化”とは

#70 ラグビー 松本国際高等学校 西海 晋生 氏 / 依田 和也 氏

高校から競技を始めた選手でも、全国の舞台へ。選手を育てた“認め合う文化”とは

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2026.08.10

目次

創部12年で初の全国大会出場を果たした松本国際高校ラグビー部
経験の有無に関係なく仲間を認め合い、一人ひとりが成長できるチームづくりを続けてきた背景には、どのような指導方針があるのでしょうか。

全国大会出場までの歩みや、人間性を重視した育成、そして日々のコンディション管理にAtletaを活用する理由について、西海先生と依田先生にお話を伺いました。

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「仲間を認める」ことが、未経験者をキャプテンに育てる

初の全国大会出場、おめでとうございます。創部12年での快挙ですね。

ありがとうございます。最近はラグビー経験者の割合も少しずつ増えてきましたが、学年に経験者が一人しかいない年もあったので、チームの成長を感じます。
avatar 西海先生

今のキャプテンも高校からラグビーを始めたと伺いました。そういった選手も多いのでしょうか。

そうですね。直近の歴代キャプテンも、野球や柔道、陸上出身など、ラグビー未経験者ばかりなんです。
avatar 依田先生

未経験者も多い中で、ここまでチームが成長したターニングポイントはありましたか。

2年前に花園予選で初めて、長野県大会決勝へ進出したことですね。それまで公式戦ではなかなか勝てませんでしたが、花園予選で初戦を突破すると、その勢いのまま決勝まで進むことができました。選手たちも「自分たちは戦える」という自信を持てた大会だったと思います。技術面でも、未経験者が多いからこそタックルや組織ディフェンスを徹底して積み上げてきたことが結果に繋がったと思います。
avatar 依田先生

チームとして大切にしている価値観や、日頃から選手に伝えていることはありますか。

一番大切にしているのは「仲間を大事にすること」です。うちのチームの特徴は先ほど話した通り未経験者が多いことです。経験者だからすごいわけではないし、一緒に戦う仲間ですから、経験者が未経験者を育て、分け隔てなく成長できるチームを目指しています。
avatar 西海先生

選手同士で向上できる環境なのですね。

未経験者が多いからこそ、お互いを認め合うことを何より大切にしています。指導者は改善点を伝える役割なので、選手同士では「今日の良かったプレー」や「ありがとう」を伝え合う時間を必ず設けています。最初は誰も話せませんでしたが、今では私たちが言わなくても自然と始まるようになりました。
avatar 西海先生

そうした雰囲気や文化が、チームの強さに繋がっているのでしょうか。

そうですね。学年や経験の違いに関係なく挑戦できる環境なので、未経験者が育って躍動できますし、1年生も思い切ってプレーできていると思います。
認め合うことは簡単ではありません。例えば3年生だと1年生にポジションを奪われることもあります。普通ならライバルですから、自分が試合に出るために情報を教えたくないと思っても不思議ではありません。でもうちでは試合後になると、その二人が「ここはこうした方が良かった」と自然に話しているんです。ライバルであっても仲間を認め、チーム全体で勝とうと考えられるようになったことは、大きな成長だと思いますし、チームの強みになっていると思います。
avatar 西海先生

チームづくりを大切にされる中で、キャプテンはどのように選ばれているのでしょうか。

今年は選手同士の話し合いで決めました。チームのために誰より体を張り、最後まで全力で走れる選手がキャプテンだと考えています。日頃から選手たちには伝えているので、その基準で決まりました。
avatar 依田先生
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高校3年間を、その先の人生につなげるために

外部コーチやメンタルトレーナーなども積極的に招かれていますね。

長野県の協力もあり、メンタルトレーナーや柔道整復師、競技力向上のためのトレーナーなど、多くの専門家に指導していただいています。レスリング日本代表選手を招いたこともあります。長野県まで来てラグビーに打ち込み、ラグビーを盛り上げようと頑張ってくれているので、できるだけ多くの良い経験をしてもらいたいと思っています。
そのため、このような機会を積極的に設けています。
avatar 西海先生

確かに多くの方からの指導は良い経験になりますね。

私たちは彼らの人生の3年間を預かっているだけです。ここで燃え尽きるのではなく、その先の人生につながる経験を積んでほしい。そのために、多くの人と出会い、さまざまな価値観に触れる機会をつくることが私たちの役割だと思っています。
avatar 西海先生

Atletaが広げた、選手とのコミュニケーション

Atleta導入の経緯を教えてください。

Atletaもその「経験」の一つです。自分を記録し、振り返り、客観的なコメントをもらう経験は選手の成長につながると思い導入しました。

以前は気になる選手がいれば声をかけたり保護者に連絡したりしていましたが、人数が増えるにつれて少しずつ時間の限りを感じてしまう事が増えました。また、思い立ったときに、ラグビーを専門とする人に『聞きたい!』ができる事がありがたいです。
avatar 西海先生

なるほど、かなり先生の負担も大きくなっていたのですね。

Atletaに自分たちの日々のコンディションとコメントを残すことで、我々がそれに対して返信できる。これは選手と我々お互いに、コミュニケーションが取りやすい形なんです。Atletaを通じて選手たちと繋がれたことで、選手たちのことをより知れるようになったので、そこからまた新しいチャレンジもできるようになりました。
avatar 西海先生

具体的にどんなチャレンジをされてきましたか。

これまで考えつかなかった外部コーチを呼んだりとかですね。レスリング選手、メンタリスト、柔道整復師、歯科衛生士、栄養士、バレーボール選手がきてくださりました。ラグビーだけではなく、幅広い経験を大切にしたいです。
お笑い芸人の企画も考えております。
avatar 西海先生

お笑い芸人ですか!かなり意外ですね。

選手たちの経験値を高めるために、さまざまな取り組みができているので、そこはAtletaのおかげですね。
avatar 西海先生

コメントから見えてくる、一人ひとりの個性

現時点で、選手たちの違いを感じる点はありましたか?

コメントの書き方を見るだけでも選手のタイプが分かります。毎日書く選手、困った時だけ書く選手、普段は書かないけれど遠征では的確に振り返る選手。本当に一人ひとり個性が違います。
avatar 西海先生

普段はあまり書かないのに、遠征ではしっかり書ける選手もいるんですね。

コメントの頻度も、選手を理解する大切な材料ですね。
Atletaを通して、それぞれの選手が何を考え、求めているのかが少しずつ見えてきました。
avatar 西海先生

コンディションだけでなく食事機能もご利用いただいていますよね。

Atleta導入時に保護者さんにも説明していて、「もしお子さんが大きなケガした時、その原因が食事やったらどうしますか?」と言って食事の重要性はお伝えしているのですが、内容を見ると、各ご家庭によって少しばかり差は生まれます。事情や家庭の時間があり難しさはあるとおもうのですが、その数値が出ることにより、おかずを選びやすかったり、お米のグラムを考えたりしてくださります。
お子さまの健康とベストパフォーマンスのためにAtletaの評価機能を活用していただけると嬉しいです。
avatar 西海先生
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日本一の経験値を、選手たちへ

ラグビーを通じて、選手に身につけてほしいことや成長してほしいことはありますか。

昔からの言葉でラグビーは『少年を大人にし、大人を少年にする』という言葉があります。ラグビーを通して少年は大人へと成長し、大人になっても少年の心を思い出せる。つまりラグビーは生涯スポーツであることを表した言葉なんです。ラグビーから学ぶ教訓は必ずこれからの人生で生きてくることばかりだと思うので、そういったことをこの3年間で学んでほしいと思います。
avatar 依田先生

最後に今後の目標をそれぞれ教えてください!

近い目標としては、今年度3月までの公式戦は全勝したいと思っています。そして遠い目標としては舐められない長野県を作ること、そして実力をつけて対戦を嫌がられるチームにしたいというのが目標です。
avatar 依田先生
目標は日本一になること。大会に出場する以上、仲間ともに勝つことを考えています。今夏の全国7人制大会でも、もちろん経験値は少ないですし、能力もかなり差があると思いますが、出場する以上は思い出作りではなく、日本一を目指します
そこに対して選手たちには多くの経験を積んでもらう。思いっきりやったことが、全国で通用するのかしないのか。また、しんどい時に仲間が助けてくれた声とか、試合に出ることが全てではなく「このチームとしてみんなでやってこられた」という思いと経験を通して、日本一強いチームを目指します。
avatar 西海先生

常に勝利へ貪欲な今のチームなら、全国でも大きな力を発揮してくれると思います。

ラグビーを通じた目標は、長野県をラグビー強豪地域にすることです。そして松本国際の卒業生が胸を張って母校を誇れるようなチームをつくりたい。そのために子どもたちを支え、多くの経験を積んでもらい、その経験が地域や社会への貢献につながればと思っています。選手たちには『日本一の経験値』を積んでほしいですね。
avatar 西海先生
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松本国際高等学校 男子ラグビー部(まつもとこくさい)
西海 晋生 先生(にしうみ・すすむ)
依田 和也 先生(よだ・かずなり)

<チームの情報> 2026年6月現在
メンバー:32名
管理者・スタッフ:5名
Atleta導入時期:2026年4月

<チームの主な成績>

第13回全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会長野県大会 優勝
第48回ラグビーフットボール大会長野県予選 優勝
第47回ラグビーフットボール大会長野県予選 優勝