Atleta通信 | 大同大大同高校バレーボール部、挑戦と成長の軌跡。『Atleta』継続がもたらした変革

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2024.07.19

大同大大同高校バレーボール部、挑戦と成長の軌跡。『Atleta』継続がもたらした変革

【活用事例】#51 バレーボール 大同大学大同高等学校 渡辺 義幸氏

目次

『Atleta』の前身サービスからご利用いただいている大同高校バレーボール部は今年12年ぶりにインターハイ出場を掴みました。

今回そんなチームを率いる渡辺先生に『Atleta』を続ける重要性や、具体的な活用方法を始め、選手指導の極意や『失敗することの大切さ』など、人の成長において重要なキーワードをたくさんお話しいただきました。

指導者はもちろん成長を目指すアスリートも必読の内容です!

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食事の記録は難しいけど、少しでも選手と保護者の意識を上げられた

前身である『CLIMB DB』というサービスから長らくご利用いただいていますが、導入のきっかけは覚えていますか。

当時からバレーボールノートを毎日選手に書かせていたんですけど、部員が40人ぐらいいるので、ノートを集めると40冊になるんですよ。そうすると持ち歩くのも大変だし、確認する時間も作らないといけないし。手書きさせることも大事だと思いつつも、スマホで入力できるようなアプリを使ってみるのもありかなと思ったのがきっかけです。
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ノート時代から『Atleta』で管理している項目を記録させていたのでしょうか。

いえ、ノートは振り返りだけでした。サービス導入直後も最初は振り返りを意識的にさせていました。あとはスケジュール共有ですね、選手や保護者に対するスケジュールを伝えるためのツールとして利用していました。
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今は食事機能もご活用いただけているなという印象ですが、当初はそこまでご利用はなかったのですか。

そうですね。食事の記録って高校生にとっては難しいですからね。毎日3食記録って大変ですが少しでも意識を上げられたらなっていうところで、大会の1ヶ月前とかだけでも『Atleta』に『◎』がつくのを目指して食事を意識しようとか、体脂肪落として身体にキレを作っていこうって感じでやっています。
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『Atleta』をきっかけに食事への意識に繋げてもらえているというのはとても嬉しいです。

記録した食事データってレポートやExcelで出せるじゃないですか。その出力したものを選手や保護者に送ったんですが、保護者が結構見てくれているようでして、その点でも効果があったなと感じています。
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それは素晴らしいですね。保護者へは印刷してから渡しているのですか。

いえ、そこも『Atleta』の連絡ボード機能で展開しています。保護者も連絡ボードは見られるようにしているので。
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とてもご活用いただいていますね。ありがとうございます。

食事データ見ると数値の高い選手は本当に高いので、チーム全員がそうなってくれるのが理想ですが、まずはそんな選手がチームから何人か出てきて、そこから少しずつでも人数が増えたら嬉しいなって気持ちで続けています。
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ちなみに、そんな意識の高い選手は競技成果やパフォーマンス、身体の変化など見られましたか。

下級生の頃の写真と比べれば身体が全然違いますね。
今でも練習終わりの食事ではご飯に生卵かけたり、ふりかけかけたり、一緒にサラダチキンを摂ったりしていますから、だいぶ意識はついていると感じます。
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自分のハードルを下げることも大事

当初は「書くことも大事」というお考えがあったと伺ったのですが、実際ノートからアプリに変えたことで考え方に変化はありましたか。

手で書くこと自体は大事だろうなとは思うんですけど、書かせると場所の制限とか出てくるので、家に帰って机の上とかでないとできないし。それがアプリだと移動中の電車内でもできるし、見る側も40人分見ないといけない中でノートが手元に届くのを待たなくても見られるわけですから、そっちのメリットの方が大きいなと思います。
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他にも『Atleta』を活用し続ける中で良かったと感じられることはありますか。

うちは選手全員がそれぞれのテキスト回答を見られるように設定をしています。
その見られる項目になんというか、爆弾じゃないですけど、しっかり問題提起をするようなタイプの選手もいれば、そこに書かずに、指導者しか見られないコメント欄に意見を書くタイプの選手もいたりして、結構個性が分かるなって感じます。
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渡辺先生が活用している機能はこちら
技能向上とチーム力強化を目指す!チーム機能利用方法
>続きを見る
チームをより良くするために、あえて不安定にするような発言をちゃんとする選手もいれば、そうじゃない選手もいたりして。まぁでも上級生は比較的見えるところにしっかりとした意見を書くかな。
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下級生がそこに意見を発信するのは難しいかもですね。

まぁでもそんな先輩を見て将来的には発信できるようになってくれれば良いなと思っています。
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日々入力している項目の中に「小さな成功は」「小さな幸せは」「小さな感謝は?」というものがあり非常に興味深かったのですが、こちらの意図を教えて下さい。

何らかの結果を出そうと思った時って『すごく大きなことをやらなきゃいけない』って思う人が多くて、自分の中でのハードルが高い人ってストレスばっかり溜まるんですよ。『できない、できてない、もっとだ…』って。
でもそうじゃなくて、自分のハードルを下げることも大事だと思っていて、自分の中で『俺今日やれたな、今日のこれ良かったな』のように意識的に考えさせることで、自分の中のハードルを下げる練習としてこの項目を入れています。
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チーム作りや選手間のコミュニケーションの活性化にも波及しているようでとても嬉しいです。

うちは寮がなくてみんな通学なので、中には1時間半ぐらいかけて登校している子もいて。寮だったら多分もっとコミュニケーションを密の取れると思うのですが、そうではないので、『Atleta』をもっと活用できたらいいなって思っています。
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限られた時間の中でコミュニケーションをどう効率的に密にしていくかが課題としてあったのですね。

そうですね。毎日1人1人と話す時間は取れないですから、『Atleta』はコミュニケーションを取る上で非常に大事なツールになっています。
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失敗は悪いことではない。いかに失敗させてあげられるか

渡辺先生が選手を指導する上で一番大切にしていることは何ですか。

やっぱり選手を大切にすることと寄り添うことですね。すごく当たり前なんですけど意外とできていない指導者もいるんじゃないかなと思うんです。なんか、『鍛える』とか『失敗させないようにする』とかはあると思うんですね。チームに問題起こしたくないし乱したくないので。
でも、失敗しないことには成長しないじゃないですか。大切にしつつ、いかに失敗させてあげられるかは考えていますね。
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なんだかとても難しそうですね。

例えば、わがままな子がわがまま言い続けたらみんなに嫌われるじゃないですか。するといずれ自分の周りに誰もいなくなって、その時にその人は自分がわがままだったことに気づくんですが、もしその前「お前わがまま言ってたらみんなに嫌われるぞ」なんて忠告しちゃうと自分で気づけずに終わっちゃうから結局分からないままになると思うんです。そういった失敗はさせるようにしています。
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手取り足取り教えることが『大切にする』という意味ではなく、自分で失敗して学ばせることが『大切にする』本当の意味なのですね。

失敗すること自体は悪いことではないのでね。ですが、失敗できない時もありますよね。例えば試合や試合前の練習とか。そこでの失敗は防がないといけないです。
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そういったコントロールを指導者として注力されているのですね。

そのくらいの距離感で指導しないと選手の主体性って育たないと思いますからね。選手たちが勝ちたいから練習するわけですから。なので、指導者じゃなくて3年生がチームを作っていくという感覚にさせるよう意識しています。
指導者が作ってくれた環境で気楽にのびのびバレーやっていますなんていう感覚じゃ強くなれないですし、何かが起きても選手たちで対処しなさいねって感じですね。
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選手の自主性を育てるって指導のバランスが難しい印象ですし、実際苦労されている指導者もいると思うのですが、先生のチームは何故上手くできていると思われますか。

いやそれこそ僕も難しかったですよ。実際、自主性を狙って指導した結果自由になりすぎて失敗したこともありましたし、逆に厳しくやりすぎても失敗しました。
バランス見つけるにはとにかくそっちサイドまで行ききってみないと分からないと思います。
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渡辺先生自身も失敗を繰り返す中で今の指導法に行き着いたということですね。

もちろんです。でも失敗を繰り返して成長するってすごく時間がかかるんですよ。
だから他人の同じような失敗はなるべく自分や所属する組織に取り込む必要があるんです。その手段として、僕は読書を大事にしています。
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なるほどとても説得力があります。ちなみにどのような本を読まれるのですか。

普通にビジネス書も読みますし指導論の本、これはバレーに限らずどんな競技のものでも読むし、総合的なスポーツマネジメント系も読みます。
あと本に限らず色んな業種の方の話を聞いたりもしていますね。
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とても勉強熱心なんですね。

レバレッジ(てこの原理)ですよね。いかに少ない力で大きな成果を出すかという観点から言ったら、他人の成功談よりも失敗談の方がよっぽど役に立ちますよ。
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行動を変えても、選手との関係性の質が良くなければ何も変わらない

『Atleta』を導入していても、上手く活用しきれていないことで悩んでいる指導者もいますが、長くご活用されている渡辺先生からアドバイスがあればお願いします。

皆さん結果が欲しいんだと思うのですね。その結果を得るためにまず行動を変えようとすると思うのですが、その前に思考を変えていく必要があります。
でも、その思考を良くするためには選手との関係性の質が良くないと何も変わらないんですよ。
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行動よりもまずは関係性ですか。

はい。でもそこが分からなくて指導者と選手の関係性よりも、先に一生懸命行動レベルを変えようとして、選手のスキルアップを頑張ってしまう指導者が多いと思います。
そんな状態で選手に「本音で話しをしろ」って言っても、選手は本音で話ができるわけがないですよね。本音も聞けない状態でチーム作りなんてできないじゃないですか。この関係性構築をすっ飛ばしちゃってる指導者多いんだと思います。
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まずは本音のやり取りができる指導者と選手の関係性になることが重要なのですね。

そのためにこの『Atleta』のようなツールで選手とのコミュニケーションを取るっていうのがかなり重要だと思っています。
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日々練習を頑張るのは当たり前、"スポーツを通じて人として成長する"ために振り返る

この関係性を作る点についてはノート時代から重要視していたのですか。

いえ、昔の僕はそんなことはなかったですね。やっぱり指導者として勉強を重ねてきたことで関係性の重要性を学んだので。
恐らく『Atleta』活用が上手くできていないチームというのは、例えば指導者はリアクションボタンだけで返信を終えているとか、入力は強制しているけどその内容はチェックしていないとか結構多いんじゃないかなと思うんですよね。
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導入したらあとは選手自身が活用してくれると思われて、蓋開けてみいたら誰も活用してない…みたいなチームも正直ありますね。

入力させること自体を頑張っている指導者も多分いらっしゃるでしょうね。
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そこって渡辺先生はどのように選手に伝えているのですか。

とにかく『Atleta』に入力して振り返ることは大事ですよってことくらいですね。練習をしっかり頑張るとかはもうみんな当たり前にあるんですけど、人として成長しようとした時に「どうやって成長するつもりなの?何にもやらないで成長なんてできないですよね。逆にこの振り返りをせずにどうやって成長するつもりなの?」って聞いています。
日々練習を頑張るだけでは本当の成長に繋がらないと思っているので、そういった意味で僕は『Atleta』への入力は大事だと思っています。
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最後になりますが、今後の目標を教えて下さい。

なんだろうな。いっぱいあるんですが、今は選手が成長できる仕組みのあるチームを作りたいなと思っています。
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今日のお話を聞く中でその理想のチームにかなり近づいているし、渡辺先生なら実現できると思います。本日はありがとうございました!

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大同大学大同高等学校 バレーボール部(だいどうだいがく だいどうこうとうがっこう)

渡辺 義幸(わたなべ よしゆき)

<チームの情報>2024年6月現在
選手数:37名
コーチ:2名(外部指導者:5名)
Atleta導入時期:2017年3月

<チームの主な成績>
2024年度 愛知県高等学校総合体育大会バレーボール競技の部 優勝
愛知県高等学校新人体育大会 優勝
東海高等学校バレーボール選抜大会 第3位
東海高等学校総合体育大会 バレーボール競技 第3位