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2020.12.09

「入力しなさい」とは言わない。日々の継続を促す、選手への声かけとは?

【活用事例】#15 陸上競技 中央学院高等学校

目次

Atletaの利用に際し、どうしても立ちはだかる壁『入力の継続』。

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今回は、Atletaの入力率を常に高く維持できている中央学院高等学校陸上競技部の顧問森道仁先生に、Atletaの入力率維持の秘訣とAtleta入力の重要性についてお話を伺いました。『継続の壁』にお悩みの方は必読です。

Atletaのおかげでアドバイスにズレがなくなった

Atleta導入の経緯を教えて下さい。

Atleta導入前はノートで日々の活動を記録していました。
一日の練習内容、学習内容、反省、食事管理の一環としてサービング表を細かく選手に書かせ、集めて確認していました。
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ところがノートの場合、確認できるのは翌日の昼以降で、場合によっては全く目を通すことなく選手に返す日もあり、悩んでいました。
そんな時に先に導入していた本校の野球部からAtletaの紹介を受け、やりたいことが実現できそうで導入することにしました。
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ノートの確認がリアルタイムで行える点に魅力を感じられたのですね。

見たい時に見られるのが良いですね。帰宅してその日の夜のうちにAtletaを確認し、選手の状態を把握した上で翌日の朝練習に参加でき、アドバイスにズレがなくなりました。
これは非常に助かっています。
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「アドバイス」とは、具体的にどんなアドバイスをされますか。

陸上競技の技術向上のために、練習だけではなくて『生活力』が大事です。
普段のちょっとしたこと、挨拶や言葉遣い、本当にたいしたこと無いですが朝自分で起きられるか、など。
実はこういう『生活力』が競技力に大きく影響します。
技術的には問題なくても、生活の面でだらしないと思った選手には、『生活力』に関する声かけをしています。
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簡単なことを継続できるかどうかが結果的に大きな差を生む

『生活力』に関する声かけとは具体的にはどういうことですか?

メンタルが弱い選手はどうしてもいて、例えば日頃の授業に対しても「わからない」「めんどくさい」「眠い」という感情に負けて取り組み方が甘くなります。
一方同じ状態でも自己を律して一生懸命授業に取り組める選手はメンタルが強いです。
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日頃の授業ですら諦めてしまうメンタルの選手は、競技の練習をしても大事なところで必ず失敗します。
だから、そういった生活面の改善や向上が競技につながると指導しています。
それから、感謝する気持ちが少ないことや、不平不満を抱えていることも、メンタルの弱さに繋がるということも伝えています。
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競技に対するメンタルも、日頃の生活の中で培われていくというお考えですね。

はい。Atletaを毎日しっかり入力する選手と、入力し忘れる選手。たったそれだけの違いが1年後には大きな差となって現れました。
先程の授業の話と同様、Atletaの入力を継続する力もかなりメンタルに影響があると実感しています。
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Atletaの入力がそういう差に表れるというのは驚きです。

Atletaの入力の違いから生まれる差は手に取るようにわかります。
例えばコメントを毎日10〜20行書く選手と、毎日書いてもせいぜい2〜3行の選手。コメントを多く書く選手は、自分自身の行動や日常生活を客観視できています。

これも1年したら思いっきり差が現れました。
後者は1年経ってもずっと自己ベスト更新できなかった一方で前者はどうしても伸び悩む時期を経て、ある瞬間からドカンと成績が伸びましたね。
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Atletaとノートのハイブリッド型運用で考える習慣をつける

導入後、部内の変化などあれば教えて下さい。

「ノートに書く」から「スマートフォンに入力」に変わりました。
つまり「書く」機会がなくなりました。便利になる一方で文字を書かなくなることはいけないと思ったんです。
そこで、週末に週の振り返りを手書きで書かせています。かなりボリュームある文章になります。
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週末の振り返りはいつ頃から始めた活動ですか?

今年の4月からやり始めたばかりです。
コロナ禍の状況になり、Atletaで日頃の選手の状態を変わらずチェックできたのはよかったのですが、
やはり書いて自分の考えを表現することも大事だと考えました。
選手たちは結構大変そうですが、しっかり考えていないと書けないので、考える習慣付けにはなったかと思います。
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継続していると、だんだん入力しないことに気持ち悪さを覚えるはず

Atletaの日々の入力が大事だというお話は選手にされますか?

はい。「Atletaの入力ができない人は強くなれない」と言っています。これは本当に実感しています。
難しいことを要求しているわけではなく、ただ手元のスマートフォンから自身の情報を入力するだけのとても簡単な作業です。
簡単なことも継続できない人が、強い選手にはなれないですよね。
ある程度実力のある選手でもこれは当てはまります。大事な試合で失敗してしまいます。
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継続すると、逆に入力しないことに気持ち悪さを覚えるはずです。
自分の言葉が出てくるようになり、コメントの文章量が増えていく、そういう選手から走れるようになっていきます。
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継続するためにどのような指導をされていますか?

基本的には言い続けています。
ただ、「入力しなさい」という言い方だと選手もやりたくないことを強いられ、ストレスに感じてしまうので、「Atletaを継続することで自分を高めることができる」という伝え方をしています。
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選手がポジティブになる伝え方をされているのですね。

あとは「入ってないよ」と言います。
これは入力していることが前提で成り立つ声かけですね。「入れなさい」とは言いません。
「伝え方」と「タイミング」は指導する上でとても大事にしています。
Atletaを継続する上では、我々指導者も伝え方を意識し、辛抱強く選手に伝え続けることが大切だと思います。
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選手と接する時、常に感覚を研ぎ澄ませる

選手への伝え方に、なにかルールがありますか?

ルールはなく、臨機応変にできるかどうかだと思います。 これは経験を積んでいかないと分からない部分です。
できるだけどんな練習でも毎日見るようにしていて、毎日見ていてこそ選手の微細な変化に気づくことができ、変化を察知したらすぐにAtletaで選手の主観的な情報を確認します。
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ただこの時にすぐに練習を止めて話をするのか、あえて少し時間を置いて本人を冷静にさせてから話をするのかなど、選手や状況によって変えていきますね。
これを意識してできるよう、選手と接する時は常に感覚を研ぎ澄ませています。
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研ぎすまされた感覚で感じ取った選手の違和感をAtletaで答え合わせする感じですね?

なるほど。「答え合わせ」って良い表現ですね。いただきました!(笑)
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恐縮です(笑) 森先生のAtletaの一日のルーティンを教えて下さい。

朝練習があるため就寝時間を22時とし、それまでに入力するよう指導しています。
睡眠時間が短いと翌日の練習に影響が出てしまうので、未入力者には21:45にアラートが飛ぶように設定しています。
22時までに入力されたものは夜のうちに確認します。
翌日の朝練習の際、前夜に見た情報と照らし合わせる形で確認します。
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この時、気になる選手がいたら、練習後にその選手の過去データを遡って確認します。
遡って振り返ることで、「この時にこんなことやったから調子が落ちているのかな」といった目星が付けられることがあります。
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最後に、今後の目標について教えて下さい。

全国高校駅伝出場です。
ここ数年で長距離も年々スピード化が進んでいます。それに対応するための練習はもちろん、高校だけでなく次のステップである大学や実業団で活躍できる選手育成を常に目標としています。
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また、陸上競技部は強化指定部にもなっているので結果を出さないといけないのは当然なのですが、それ以前に人間力を磨き、応援してもらえる選手を育てたいです。
自分が陸上競技をできているのは、保護者はもちろん、自分では認識していない周りの多くの人の支えがあるからこそだという感謝の気持ちを持つことを、部活動を通して学んでほしいです。
そして将来社会に出た時に支える側として社会貢献できる力を、陸上競技を通して身につけてほしいです。
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本日は貴重なお時間をありがとうございました。チームの活躍を楽しみにしています!

プロフィール

中央学院高等学校 陸上競技部監督 / 森道仁 氏

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中央学院高等学校(ちゅうおうがくいんこうとうがっこう)陸上競技部

<チームの情報>2020年12月現在
部員数:24名
スタッフ:4名
Atleta導入時期:2016年12月

<主な成績>
令和2年千葉県高等学校駅伝競走大会5位入賞(関東大会出場)
令和2年関東高等学校選抜新人陸上競技大会男子5000mW 7位入賞
令和2年千葉県高等学校陸上競技会 男子1500m 1位
全国高等学校陸上競技大会2020  男子1500m出場
令和元年千葉県陸上競技選手権大会 男子5000m1位 

<HP>
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