2022.12.23
いきなりですが、みなさんは『コンディション』と『コンディショニング』の違いを説明できますか?今回お話を伺ったのはさまざまな論文や講演をされ、トレーナーとしても活動されている専修大学の齋藤実先生です。コンディションを医科学的に30年以上研究され、現在も学生向けに『Atleta』を活用しながら、分かってきたこと。アスリートが意識すべき『コンディショニング』とは。大学の講義に相当するハイレベルで質の高いお話をお届けします。
一番理想的なのは選手自身が自立してコンデショニングを行うこと
まずは、齋藤先生のこれまでの経歴を教えてください。
様々な経験を経て代表チームに帯同してきているのですね。代表チームの強化に関わってきた中で感じることなどありますか。
『コンディション』と『コンデショニング』の区別がついていない
「選手自身が自主的にコンディショニングをしてほしい」、我々も同じ思想を持っていますが難しいなと感じています。育成年代にはどのようなアプローチが必要だと思いますか。
えーと…今日のコンディションはバッチリ!?ですかね。
『4』ですね。
昨日も…『4』くらいですね。
えーと…ん?なんて言えばいいんですかね。回答難しいですね(笑)
確かに、改めて考えてみるとポイントとプロセスって考え方ができますね。
指導者と選手の間に情報のギャップができていた時代
当時は、まだ剣道において『コンディショニング』という言葉が一般的ではなく、周囲への浸透など、苦労があったのではないでしょうか。
専門的な科学的根拠と体感的な経験による根拠、それぞれのバランスを先生は取られていたのですね。
コンディショニングって実は『免疫』なんです
コンディショニングに関する研究内容について詳しく教えてください。
『コンディショニングは免疫』という医科学的なお話について詳しく教えていただけますか。
単純に身体が疲れているだけでなく、身体の中では免疫機能が低下しているのですね。
コンディションが悪い状態で無理をするのは免疫学的にも良くないということなのですね。
オーバートレーニング以外にもコンディション低下や免疫力低下に繋がることってありますか。
医科学の発展に伴って数値で判断しやすくなりましたが、『Atleta』で記録しているような選手自身の主観的な情報を記録し続ける意味はあるのでしょうか。
30年前は専門家しかできなかったことが選手自身でできるようになった
IT化が進んでいない時代にどのように管理や研究をされていたのでしょうか。
お力になれているようで良かったです。
グラフを観察する際のポイントを教えてください。
記録会の日に握力を量るとメンタル的なコンディションに影響出ちゃうかもしれないですね。
『Atleta』を使って授業を進めると彼らは自分のコンディションを分かっていなかったことに気づく
授業では、『Atleta』のデータ分析のやり方をどのように教えていらっしゃるのですか。
『Atleta』を使うことで学生たちの行動に変化があったそうですが、具体的にどのような変化があったのでしょうか。
コンディションは上げるのではなく崩さないアプローチ、伝わりやすい説明でした。
最後はコンディション勝負です
記録し続ける価値をどのようなアプローチで伝えていけば良いと思いますか。
どんな競技でも勝敗を決めるのは僅かな差ですよね。
本日はお話頂きありがとうございました。勉強になることはもちろん、『Atleta』の価値をコンディション研究をされている教授にお話頂き、大変貴重なお時間となりました。
専修大学 文学部ジャーナリズム学科
齋藤 実(さいとう まこと)氏
<チームの情報>2022年11月現在
Atleta導入時期:2021年5月
<齋藤実 氏プロフィール>
静岡県立榛原高校から筑波大学に進み、筑波大学大学院修士課程修了。
茨城県立医療大学理学療法学科助手、大妻女子大学人間生活科学研究所助手、国立スポーツ科学センタースポーツ情報研究部研究員を経て、専修大学経営学部講師に着任。剣道七段。
・日本トレーニング指導者協会上級トレーニング指導者(JATI-AATI)
・日本オリンピック委員会強化スタッフ
・全日本剣道連盟医・科学委員会委員
・川崎市スポーツ推進審議会会長 など。
著書として
「強くなるための剣道コンディショニング&トレーニング」
「仕事で忙しい人のための剣道トレーニング」(体育とスポーツ出版社)
「スポーツ損傷予防と競技復帰のためのコンディショニング技術ガイド」(臨床スポーツ医学)
「ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療」(南江堂)
「スポーツ指導者のためのスポーツ医学」(南江堂)、他など。