Atleta通信

2021.09.21

効果的なトレーニング計画でパフォーマンスを上げる!ピリオダイゼーションの考え方

アスリートのためのスポーツ情報ースポーツ医科学で強くなるー

目次

”トップアスリートの知見を多くの方に伝えたい”という思いから、
スポーツ医科学サポートの専門家集団である京都トレーニングセンター(※詳細は下記)に協力いただき、「スポーツ」に関して様々な角度からコラムを定期的に配信いたします。

京都トレーニングセンターの大狩と申します。第三回は「ピリオダイゼーション(期分け)」の基本的な考え方をご紹介します。
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トレーニングの考え方「ピリオダイゼーション」とは?

「いつも練習は限界まで追い込んでいる」
「行っているメニューは1年を通してほとんど変わらない」
といった量をこなせば強くなるという考え方は危険です。
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長い期間同じ内容、負荷のトレーニングを継続していると同じ刺激しか入らないので、トレーニングによる効果が現れにくくなります。また、パフォーマンスの停滞や低下につながったり、さらには※オーバートレーニングとなってしまう可能性もあります。

※オーバートレーニングとは
スポーツなどによって生じた生理的な疲労が、十分に回復しないまま積み重なって引き起こされる慢性疲労状態です。

ピリオダイゼーションの目的は2つあります。

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ピリオダイゼーションは目的を達成するために時期によって、トレーニングの特異性や量、強度などを変化させていく考え方です。この考え方でトレーニングプログラムを実施することが大切です。

トレーニングレベル別のピリオダイゼーション

「試合が年中予定されていますが、全ての試合にピークを合わせています」

というお話を聞くことがありますが、トレーニング科学的には“強・弱”をつけ、細分化する必要があります。

「試合が年中予定されているけど、毎回の試合に全力で!」というお気持ちになることは非常に共感します。
しかし、毎回の試合にピークパフォーマンスを調整するのは非常に難しいです。
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その中で「ピリオダイゼーション」の考え方を活用し、効率の良いトレーニング計画を立てられると良いと思います。

 

初心者やトレーニングのレベルが低い選手

トレーニングは低強度で多量といった状態から始め、試合に向けて高強度で少ないトレーニング量へと変動させましょう。試合当日に疲労が蓄積しないようにします。

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上級者やトレーニングレベルが高い選手

強度やトレーニング量は全体を通して高い中で変化をつけ、疲労などをコントロールしましょう。そして、試合に向けて高強度でトレーニング量が少ない状態へ移行していくことが大切です。

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どちらの場合も試合が近づくにつれて、トレーニングの技術的要素や競技に対して特異的な要素は高まっていきます。

もちろんチームの状況によっては当てはまらないことも多いと思いますが、基本的なイメージとして知っておくことが大切です。

ピリオダイゼーションの期分け

ピリオダイゼーションのイメージはわきましたか?もう少し詳しく説明していきます。この「期分け」がポイントです!
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ピリオダイゼーションは

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という4つの期に分けることができます。

 

①準備期

準備期はさらに筋肥大・持久力期、基礎筋力期、筋力・パワー期といった3つの時期に分割することができます。

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  • 筋肥大・持久力期は準備期の初期
  • 専門的なスキルや競技レベルを高めるよりも、除脂肪体重の増加や持久力の基礎作りなど、どれだけ体力レベルを高められるかが重要

  • 競技の動作に必要な筋力の増強が目的
  • 筋肥大期よりも高強度で低回数

  • これまでに高めた筋力を最大スピードで発揮できるようにするための期間
  • トレーニングの強度は高くなるが、総量が少なくなるため疲労は軽くなる

 

②第一移行期

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①準備期から③試合期へ移行する際に、短期間の低強度や少量のトレーニングを行う期間。

身体的・精神的に次の試合期に向けて準備をする期間です。

 

③試合期

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目的とする試合でピークパフォーマンスを発揮できるようにするために、トレーニングの強度をさらに高め、量は減少させます。

試合の日程が長期間に渡って続く場合には、ピークの状態を維持することができないため、強度や量を調整しパフォーマンスレベルを保つことが目標となります。

 

④第二移行期

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積極的休養期とも呼ばれます。トレーニングや試合による身体的・精神的な疲労の回復や傷害のリハビリテーションのために時間をとることが重要です。

完全にトレーニングを休止するのではなく、自分の競技以外のスポーツをレクリエーション的に楽しみ、気分転換を図りながら積極的休養を取ることが望ましいです。

筋肥大期の1週間のトレーニングメニュー例

ある部活動の

筋肥大期の1週間のトレーニングメニューをご紹介します。

トレーニング時間など、チーム状況の想定

  • トレーニング時間:1時間〜1時間30分
  • レジスタンストレーニング:中級者は週2回、上級者は週4回
  • 各トレーニングのフォームなどの技術は習得できている状態
  • 体幹の安定性を高めるトレーニングなど、他のトレーニングに関しては別で行っている

 

【トレーニング例】トレーニング中級者の筋肥大期メニュー

<水曜日>
バックスクワット 10回×3セット
ベンチプレス 10回×3セット
ダンベルランジ 10回×3セット
ダンベルワンハンドロウ 左右10回×3セット
バックエクステンション 15回×3セット
クランチ 15回×3セット

<土曜日>
デッドリフト 10回×3セット
ダンベルプレス 10回×3セット
スプリットスクワット 左右8回×3セット
ベントオーバーロウ 10回×3セット
カーフレイズ 10回×3セット
ダンベルサイドレイズ 10回×3セット

【トレーニング例】トレーニング上級者の筋肥大期メニュー

<火曜日>
バックスクワット+ブルガリアンスクワット 各8回×5セット
ルーマニアンデッドリフト 8回×3セット
片脚でのカーフレイズ 8回×3セット

<水曜日>
ベンチプレス 8回×5セット
ベントオーバーロウ 8回×5セット
ダンベルショルダープレス 8回×5セット
アームカール 10回×3セット
トライセプスエクステンション 10回×3セット

<金曜日>
デッドリフト 10回×5セット
フロントスクワット 10回×5セット
ダンベルランジ 10回×3セット
片脚でのルーマニアンデッドリフト 左右各10回×3セット

<土曜日>
インクラインダンベルプレス 10回×5セット
ダンベルワンハンドロウ 10回×5セット
アップライトロウ 10回×3セット
リアレイズ 12回×3セット
フロントレイズ 12回×3セット

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この内容が正解というわけではなく、あくまでもイメージをつけるための例になります。

トレーニングが単調となったり、オーバートレーニングに陥ったりしないために筋肥大期内で強度や量を調整することも必要になってきます。

基本的なピリオダイゼーションの考え方を紹介しましたが、チームの状況によって方法は変わってきます。

試合でピークパフォーマンスを発揮できるようにピリオダイゼーションの基礎をしっかりと押さえ、しっかりと目的を意識してトレーニングを行いましょう。

トレーニングだけでなく、心理的要素や栄養面など様々な要素からコンディションを整えることが大切です!
次回は目的別のトレーニングに関して、いくつか例を踏まえながらご紹介いたします。
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参考文献
Thomas R. Baechle・Roger W. Earle編(2010)『NSCA決定版 ストレングス&コンディショニング』金久博昭総監修,有限会社ブックハウス・エイチディ.
公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト第6巻『予防とコンディショニング』

コラムを執筆してくださった「京都トレーニングセンター」のご紹介

京都トレーニングセンターとは・・・?

ジュニアアスリートの強化拠点として 2016 年7月に京都府立丹波自然運動公園内に開所された、京都府立の施設。

競技成績の向上、自己記録の更新。地区大会、全国大会、更には世界へ。
京都トレーニングセンターを利用される方やチームが、それぞれの目標を達成できるよう科学的トレーニング・サポートを行っています。科学的トレーニング・サポートを行うために、筋力測定や体組成測定やフィールドテスト等の各種測定を各個人、各チームのニーズあった測定項目をテーラーメイドにて実施。
各種測定後には、データ返却(データフィードバック)にも注力し、測定結果に基づいたトレーニングあるいは、今後のアプローチについて指導者及び選手と相談しながら実施しています。

また、最大300名の宿泊施設も有しており、京都府立丹波自然運動公園の有する各種スポーツ施設も利用し、スポーツ医科学サポートを利用しながらの合宿も可能な施設です。
詳細はHPhttp://www.kyoto-tc.com/を御覧ください。

2017年当時のCMはこちら

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