Atleta通信

2021.08.20

夏もパフォーマンスを落とさない!夏場のコンディショニングポイント3つ

アスリートのためのスポーツ情報ースポーツ医科学で強くなるー

目次

”トップアスリートの知見を多くの方に伝えたい”という思いから、
スポーツ医科学サポートの専門家集団である京都トレーニングセンター(※詳細は下記)に協力いただき、「スポーツ」に関して様々な角度からコラムを定期的に配信いたします。

京都トレーニングセンターの徳田と申します。第二回は「夏場のコンディショニングポイント」をご紹介します。熱中症や脱水を予防してパフォーマンスを落とさないようにしましょう!
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「コンディショニング」と「コンディション」の違いとは?

「コンディショニング」と似たような言葉で「コンディション」という言葉があります。

『コンディションが良い』といったように体調を表していたり、『グラウンドのコンディションが悪い』といったように状態を表すことが多いと思います。
よく使ったり聞く言葉ですが、統一した規定がなくスポーツの場面で事細かに意味を理解し使っている方は意外と少ないかもしれません。

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ピークパフォーマンスの発揮に必要なすべての要因

ピークパフォーマンスの発揮に必要なすべての要因(コンディション)を、目的や目標に向かって望ましい状態に整えること

=目標を達成するための準備プロセス

と定義しています。

細かく説明するとピークパフォーマンスに必要なすべての要因とは、以下のような5つの要因を指します。

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5つの要因を総合的にアプローチしてピークパフォーマンスを発揮できるようにコントロールしていくことが、コンディショニングになります。
まとめると「コンディションを良くするためにコンディショニングをしっかりと行う」ということです。

夏場のコンディショニングのポイント

夏場のパフォーマンスの低下の原因として「体温の上昇」「体重の低下」があります。
そのため夏場のコンディショニングとして大切なことは暑熱対策です。

適切な対策をしていればパフォーマンスの低下を防いだり、熱中症をはじめとした疾病から健康、命を守ることになります。暑熱対策の方法やセルフモニタリングの方法をご紹介していきます。

ポイント①適切な水分補給

皆様は選手がどのような飲み物を飲んでいるか把握していますか?水やお茶だけを飲んでいる選手はいないですか?
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水分補給には4つの役割があります。

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量:200ml~250ml(コップ一杯程度)
温度:5℃~15℃
タイミング:15分~20分おき
糖分(炭水化物):4~8%(100mlあたり4~8g)
塩分(ナトリウム):0.1~0.2%(100mlあたり40~80mg)

スポーツドリンクもメーカーによって塩分、糖分の量が違うので注意が必要です。
上記の範囲内に収まっているか確認してみましょう。

冷たすぎない飲み物を、少しずつこまめにとることが大切です!

ポイント②脱水状況のチェック方法

練習前後の体重差をチェックしよう

夏場コンディションが上がらないという選手も多いのではないでしょうか?
そんな時は練習前後の体重を計ってみましょう。
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アトレータにも入力項目がありますので活用してくださいね!

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自動で練習前後の体重差を計算してくれます。

短期的な体重の減少は体水分量の変化が大きいと考えられます。水分補給が足りているか脱水状況をチェックしましょう。

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体内の水分が2%減少すると運動能力が低下するといわれています。
2%以上の減少のある選手には水分補給を促すことができ、数値的根拠も伝えられるため有効な方法の一つだと思います。

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尿の色をチェックしよう

尿の色でも脱水の状況を確認することができます。色が濃いほど、水分補給が足りてないことが分かります。

選手自身がそのことを自覚し水分補給ができるようになると、選手自身のコンディショニング能力を上げることにもなっていきます。

ポイント③深部体温を意識しよう

暑熱環境下でのスポーツ活動ではパフォーマンスが上がらなかったり、いくら水分を取っても体温が下がらないことってないですか?
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深部体温(カラダの中心の温度:直腸温)が上がりすぎていることが要因かもしれません。
深部体温が上がりすぎていると持久性パフォーマンスが低下すると言われています。

深部体温が上がりすぎないように、スポーツ前やスポーツ中にからだの外、中から冷却することが大切です。

深部体温を下げるための方法として

をご紹介します。

 

手掌前腕冷却

外部から体を冷やす方法としてわきの下や首、足の付け根をアイスパックで冷やす方法は皆さんもよくご存じかと思いますが、手を冷水に付けるだけの簡単な方法もあります。

競技前や休憩中(ハーフタイムなど)にバケツに水を張りそこに手を付けるだけでOKです。

しかし問題点として、すぐに水温が上昇していくので氷を途中で追加して調整する必要があります。

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手のひらと前腕は、熱が体の外に逃げやすい構造になっています。
また手のひらは動脈と静脈の移り変わる場所で、そこを冷やすことで冷却された血液が深部に戻り身体が冷却されます。

冷却時間は10分程度が望ましいですが、短時間でも冷涼感を得ることができます。

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競技後や一日に何試合もある場合は、試合の間などに足を入れると身体を冷やすだけでなく疲労回復にもつながるのでさらに良いでしょう。

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アイススラリー

アイススラリーとは細かな氷がシャーベット状に混ざった飲料です。非常に高い冷却効果があり、こまめに摂取することで十分な深部体温の低下が認められています。

アイススラリーを飲むことによって体内の熱を吸収して、深部体温の上昇を抑える効果があります。

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選手によっては胃腸の不快感を抱く可能性もあるので注意が必要です。いきなり試合や大会で実践はせず、事前に試飲をしてみましょう。

 

競技別アイススラリーの摂取タイミング

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自転車競技や陸上長距離など

ウォーミングアップと競技が始まるまでの間に摂取し、事前に身体を冷却しましょう。

 

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テニスや野球、ソフトボールなど

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サッカーやラグビーなど

ウォーミングアップ後と休憩中に適宜摂取しましょう。深部体温の急激な上昇を防ぐことができます。

 

アイススラリーの作り方

氷とスポーツドリンクをミキサーにかけクラッシュすることで、代用品を作ることができます。試してみてください。

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深部体温はウォーミングアップ前より後に飲料(アイススラリー)を摂取することで持久性運動パフォーマンスに対しても有効であることが報告されています。

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夏場のコンディショニングでは、今回紹介した水分補給や身体の冷却など暑熱対策が大切です。

身体を冷却する方法は色々とあります。選手によって感じ方は違うため、方法によって良いと思う選手もいれば、苦手と感じる選手もいます。そのためには普段の練習時から方法を試し、各選手に合った方法を見つけることが大切です。

いくつかの例を紹介しましたが、あくまで選手のコンディショニング作りの方法の一部です。

コンディショニング作りは前述したように「精神面」も含まれます。方法や目的に囚われすぎて、選手のコンディショニング低下を招かないよう注意しましょう。

コンディショニングも競技練習と同じで、普段の積み重ねが本番でも活きます。
試合の時だけでなく、普段から「コンディショニング」に気をつけていけば、必ずいいパフォーマンス発揮に繋がると思います!
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参考文献
日本スポーツ振興センター 暑熱対策ガイドブック
アスレティックトレーナー専門科目テキスト⑥予防とコンディショニング
競技者のための暑熱対策ガイドブック Yoshida et al. Eur J Appl Physiol, 2002, 87: 529-534

コラムを執筆してくださった「京都トレーニングセンター」のご紹介

京都トレーニングセンターとは・・・?

ジュニアアスリートの強化拠点として 2016 年7月に京都府立丹波自然運動公園内に開所された、京都府立の施設。

競技成績の向上、自己記録の更新。地区大会、全国大会、更には世界へ。
京都トレーニングセンターを利用される方やチームが、それぞれの目標を達成できるよう科学的トレーニング・サポートを行っています。科学的トレーニング・サポートを行うために、筋力測定や体組成測定やフィールドテスト等の各種測定を各個人、各チームのニーズあった測定項目をテーラーメイドにて実施。
各種測定後には、データ返却(データフィードバック)にも注力し、測定結果に基づいたトレーニングあるいは、今後のアプローチについて指導者及び選手と相談しながら実施しています。

また、最大300名の宿泊施設も有しており、京都府立丹波自然運動公園の有する各種スポーツ施設も利用し、スポーツ医科学サポートを利用しながらの合宿も可能な施設です。
詳細はHPhttp://www.kyoto-tc.com/を御覧ください。

2017年当時のCMはこちら

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