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第一生命グループ 女子陸上競技部

選手の変化を記録から捉え、対話と指導につなげる。「感覚だけに頼らない」選手の支え方(第一生命・陸上競技)

第一生命グループ 陸上競技

第一生命グループ 女子陸上部/早瀬 浩二 監督

<チームの情報>2025年7月現在
メンバー:11名
管理者:7名
Atleta導入時期:2020年4月

<チームの主な成績>
駅伝
全日本実業団対抗女子駅伝競走大会
2002年優勝、2011年優勝
2022年8位、2023年6位、2024年7位

オリンピック
ロンドン大会 女子マラソン代表 尾崎好美
リオ・デジャネイロ大会 女子5000m代表 上原美幸、女子マラソン代表 田中智美
パリ大会 女子10000m代表 小海遥、女子マラソン代表 鈴木優花

記録の推移がコミュニケーションのきっかけに


Q:Atletaを導入された背景から教えて下さい。
私自身、日本郵政グループ女子陸上競技部に所属していた頃から使っていたのですが、実業団はチームが海外や全国に分かれて合宿することが多く、選手の状態をリアルタイムで把握する手段がどうしても必要になります。Atletaだと、夜までに記録してもらえれば、どこにいてもその日のうちに全員の状態が分かる点がとても便利だと感じていたので利用を続けています。

Q:コンディション記録において意識されている点はありますか。
うちでは、痛みを5段階で自己申告してもらってレベルに応じて会話したり練習の調整をしています。朝練習の段階でアプローチできているので、これが故障の予防に繋がっていると感じています。

選手によっては自身の痛みの情報って指導者に直接伝えづらいと思うのですが、Atletaからだと伝えやすいと思いますし、実は私自身も学生時代はそうだったので、その気持ちはよく分かります。選手って無理しても頑張ろうと思っちゃいますからね。だからこそ練習前から状態を把握できて会話ができる点に私はとても助けられています。

Q:天気や尿比重などかなり細かいデータまで記録されている印象があります。どのように活用されているのでしょうか。
例えば高地でのトレーニング中の選手は脱水や血中酸素飽和度の管理が重要になりますので、尿比重やSpO2(酸素飽和度)を参考に脱水や身体にどれだけ酸素を取り込めているかを確認しながら取り組んでいます。

Q:Atletaで走行距離についても、かなり細かく管理されていますね。
練習メニューを作る上で週間走行距離は気にするようにしていて、特に故障から復帰した選手は走行距離をいきなり増やすと再度故障するリスクが大きいので、週ごとのボリュームを確認しながら段階的に走行距離や強度を増やしていくようにしています。

Q:それらのAtletaに蓄積したデータをもとに分析なども行っていますか。
Atletaに記録されたデータをすべてExcelに転記して、長期的な変化を追えるようにしています。SpO2が低い時はやっぱりパフォーマンスも落ちがちですし、高地に行った時に値が急に下がる選手もいます。そのような選手は疲労が出ていると判断して、トレーニング量を調整するコミュニケーションを取るようにしています。

体重についても急に落ちる選手や一定の基準を下回る選手がいたら食事の見直しを促す声かけをします。記録の推移がコミュニケーションのきっかけに繋がっています。

選手の記録が指導の精度を左右する


Q:「こういう記録の仕方や取り組みをしている選手は成長するな」と感じるエピソードはありますか。
細かく正直に書いてくれる選手の方が指導者側との認識の乖離が少なくなるので、的確な指導ができて、結果的に伸びる印象はあります。
私も普段から選手が登録したデータを見ながらメニューを作成したり実績を整理したりしているのですが、例えば「今日はきつかった」「余裕があった」といった主観的な感覚も一緒に記録してくれていると、こちらも選手の状態がイメージしやすくなるので、合宿で離れていたり、別拠点で練習している選手にも的確な指導ができます。

Q:記録の具体性が、そのまま指導の質にも直結するということですね。
一方で、何も書いていない選手だと情報ゼロから話を始めなきゃいけない。それって結構難しく、時間もかかりますし、選手にとっても遠回りになってしまう。何も情報がなければ、「どうだった?」と聞くことしかできないので、そうすると選手も答えにくいでしょうし、核心に届かないことがあるんです。
選手全員を一度に見ることはできませんから、私からも的確な発信をするためにもAtletaの記録が重要です。