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厚木商業高等学校 ソフトボール部

日本一・世界一を目指すチーム作りのための選手との接し方(厚木商業・ソフトボール)

厚木商業高等学校 ソフトボール部/宗方貞徳氏

<チームの情報>2022年9月現在
部員数:14名
指導者数:4名(監督、コーチ3名)
Atleta導入時期:2017年6月

<チームの主な成績>
2011年 全国高等学校総合体育大会 優勝
2012年 全国高等学校総合体育大会 優勝
2014年 全国高等学校総合体育大会 3位
2015年 全国高等学校女子ソフトボール選抜大会 優勝
全国高等学校総合体育大会 3位
2022年 全国高等学校女子ソフトボール選抜大会 3位
全国高等学校総合体育大会 優勝

コメントで見えてくる、選手それぞれの個性


Q:『Atleta』を始めてみて、選手たちのことをより分かるようになった実感はありますか。
└コメントの内容については選手それぞれの個性が出ますね。例えば、私がミーティングで大事なことを言った日に、その日のコメント内でそれについて触れている子と、全然関係ない振り返りをしている子がいます。ちゃんと受け取って欲しいと思っていることを受け取れる子と、そうでない子が見えてくるんです。また試合終了後に気づいて欲しいこと、インパクトあるプレーをしたから本人の頭に残っているであろうこと、それがコメント内容で、私と一致しているかどうかが見えてきます。グラウンドで何を伝えないといけないかとか、逆に何も言わなくても分かっているなとか、そういった部分でもコミュニケーションのヒントになります。

Q:『Atleta』を継続することで選手の個性そのものが変わることはありますか。
└基本的なキャラクターは変わらないけど、人としての成長を感じます。下級生の頃は寝る前にちょこっとやる選手もいるわけで。ミーティング内容と関係ないことを書いていたりして、コメント見れば明らかに分かりますよね。そんな子でも、上級生になると人の気持ちに触れてくる内容になるんです。継続することで間違いなく成長はあります。

Q:女子チームということもあり、コンディション項目として月経の有無や痛み、つらさといった内容も記録されていますね。
└強制させていませんが、入力があれば気にするようにしています。また入力内容について、私から配慮の声掛けをすることはありません。怪我や故障についても「どうしてもプレーに支障が出る状態や、練習に配慮が必要になった場合はちゃんと直接言いなさいよ」と伝えています。最後は自分で直接伝えることが大事だと思うので、そこは徹底しています。その前段階で痛みがあるとかを入力していることで選手たちも話を切り出しやすい環境になっているかなと感じます。

特別な練習なんてない。決勝という大舞台で、いつも通りのプレーをしたチームが勝つ。


Q:宗方先生が指導される上で大切にしていることがあれば教えてください。
└県立高校なので学校生活が第一。あと、技術的なことを言えば基本の徹底。そのくらいですね。うちのチームだけがしている特別な練習なんてものはないんです。限られた練習方法の中で本当に基本の徹底、毎日同じような練習を1年中しっかりやる。だから、特別なことは何もないですよ。インターハイ決勝の日もいつもと変わらず、普通でしたよ。選手にも「特別なことはせずにいつも通りやろうな」って伝えました。それが難しいんですけどね。

Q:普段と違う決勝という大舞台で、いつも通りのプレーができた選手たちは本当に凄いですね。
└勉強できる子もいれば苦手な子もいるし、ソフトボールのレベルも中学日本代表経験者もいれば地区大会すら勝った経験が無い子もいる。そんな子たち全員を同じグラウンドで同じ方向を向かせてチームを作るというのが県立の特徴ですし、逆に言うとどんな子でも同じグラウンドで一緒にやれるという環境はとても良いところでもあると思います。技術力の面では千差万別ですが、そんな選手たちが何で繋がっているのかと言うと『このグラウンドでソフトボールがやりたい』ってことだけなんです。その想いはみんな共通して持っているので、強みかなと思います。

練習を休ませる怖さがあった


Q:コロナ禍の中、少ない練習量でも結果が出せた要因は何だったのでしょうか。
└量ができない分、練習を相当絞って、本当に必要な練習だけを集中してこの2年間やらせました。上手く練習を選べば、今までやってきた練習量より少なくてもチームって作れるんだなって。これは厚木商業を指導してきた中で最後の大きな学びになりました。そして何より良いスタッフがいてくれたことが大きな要因だと思っています。

Q:最後の数年がこれまでとは全く違う指導環境。宗方先生ご自身が適応するのは大変じゃありませんでしたか?
└練習量をさせるタイプではあったのですが、トレーニング理論通り適度な休みが必要なのは正直分かっていたんですよ。でも、勝たせたいという思いも強くて、練習を休ませる怖さがあったんです。練習をさせることがある種、私の安心材料でした。それでもどこかに『練習やり過ぎかも』という思いはずっとありましたから、良い機会でした。

Q:最後に、今ソフトボールの後進のために頑張っている指導者へメッセージをいただけますか。
└毎日選手たちと一緒にグラウンドで時間を過ごすことが後々力になってくれると思います。もちろん勝負の世界だから勝ちもあれば負けもありますが、どちらにせよ毎日選手と本気でぶつかった時間は絶対に嘘つきません。地道にコツコツ選手と一緒に頑張ってあげて欲しいなと思います。私自身も含めてね。