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洛南高等学校 陸上競技部

理念は変えず、記録と対話で進化する。日本一を本気で狙う駅伝チームの今(洛南・陸上競技)

洛南高等学校 陸上競技部/奥村 隆太郎氏

<チームの情報>2025年6月現在
選手数:26名
指導者数:1名
Atleta導入時期:2025年2月

<チームの主な成績>
全国高校駅伝:
2023年(全国高等学校駅伝競走大会第74回大会)7位
2024年(全国高等学校駅伝競走大会第75回大会)9位 

“記録”を提出物ではなく「自分の財産」に


Q:Atleta導入から半年経過しましたが、実際に使ってみた率直な感想をお聞かせください。
└導入当初は慣れない点もありましたが、選手たちもスムーズに使いこなせるようになってきました。選手がほぼ毎日欠かさず入力を続けている状況なので、習慣として定着してきたのではと感じています。

Q:導入のきっかけや、Atletaに期待されたことを教えてください。
└これまで練習日誌のような形での記録はあまり取り入れていませんでした。ただ、近年は選手とのコミュニケーションの在り方も変化しており、対面だけでなくSNSなどを通じたやり取りの必要性も感じていました。また、大会前にコンディションが上がらなかったり、ケガで離脱したり、毎年のように起きていたんです。そうした反省も踏まえて、選手とのより良いコミュニケーションとコンディショニングの両面で改善したいという思いから導入を決めました。

Q:怪我予防の観点から、Atletaへの期待はありましたか。
└選手たちにとって、私のような監督や顧問に対して「足が痛い」などと正直に言うのはハードルが高いこともあります。選考に響くのではないかと不安に感じることもあるのでしょう。そういった思いを少しでも解消しようと考えた時に、画面に向かって入力するという形の方が正直に報告しやすいのではと考えました。
今ではトレーナーもスタッフとしてアカウントに加わり、私ではなくトレーナーに状態を伝えるという運用ができていて、選手たちも安心して報告できているようです。

Q:導入時、選手にはAtletaについてどのような説明をされましたか。
└練習日誌と同じで、「毎日の入力が将来の財産になる」と伝えました。記録することは面倒に感じるかもしれないけれど、それを継続することで、振り返りに使える貴重な情報になる。そういう価値を感じながら取り組んでほしいと話しています。

変わらない理念 × 進化する方法


Q:大学や実業団でも活躍する選手を多く排出されていますが、選手育成において奥村監督が意識されていることはありますか。
└卒業後活躍している選手たちの傾向としては、日頃から自分の管理をできている子だと思っているので、指導する上でも目指すのは、選手が自ら自分を管理できるようになることです。

練習日誌の話に戻りますが、練習日誌をつけていないわけではなく、提出を義務付けていないだけなんです。記録用紙は配布しており、自分のために記録しなさいと伝えています。全寮制ではないため、帰宅後の生活までは管理できません。だからこそ「自分で管理する」ように促すことが大切だと思っています。

Q:名門・洛南高校の監督として、どのように伝統を受け継ぎ、今の体制を築いてこられたのでしょうか。
└監督に就任した当初は、多くの方々から「大変だね」と心配の声をいただきましたし、私自身も大きな不安がありました。特に、前任の恩師がゼロから築き上げてこられたチームであり、その苦労を思うと、自分がその後を引き継ぐことの重みを強く感じました。完成に近い状態でチームを引き継いだ私が、果たしてその責任を果たせるのかという怖さもありましたが、だからこそチームを立ち上げた当初の「思い」や「理念」は、絶対に守り続けたいと常に強く思っています。

一方で、トレーニングメニューの内容や指導方法、あるいはAtletaのようなツールの導入といった「やり方」の部分は、時代や選手に合わせて変えていく必要があります。理念は継承しつつ、方法は柔軟に進化させる。そのバランスを大切にしながらチーム運営を続けています。

コメントが“心の声”を拾い、信頼を深める


Q:Atleta上での記録内容について、特に重視されている点を教えてください。
一番大事にしているのはコンディションコメントです。選手自身がその日の状態を文字で表現することをチェックして、返信したり確認を入れたりすることはとても重要だと考えています。

本来であれば全員に返信したいと思っているのですが、時間的に難しいこともあります。練習後には必ず選手たちが私のところに来て、「今日はこうでした」といったやり取りを短く交わします。ただ、例えば職員会議などでそれができなかった時には、Atleta上に記録されたコメントに返信するようにしています。

Q:コメントも通じて、選手との関係性をしっかり築いているんですね。
└この春は海外遠征が重なってしまい、10日以上チームを離れることもありました。そういう時でも、Atletaにしっかり入力してくれている選手に対しては、コメントを通じてやり取りができました。
実は、ツール導入のきっかけのひとつも、遠征中などでも選手と繋がれる方法を探していたからなんです。

Q:Atletaを通じて、見えなかった選手の一面に気づくことはありましたか。
└2年生・3年生に関してはある程度理解できていますが、1年生には発見がありましたね。中学時代に実績があって、強そうに見える子が実は繊細だったり、真面目で成績も良い子の入力が大雑把だったりと、意外な一面が見えてくることもあります。

逆に、表向きは強く見える子が、Atletaでは弱音を書いていたりすることもあります。最初は驚きますが、だんだん見慣れてくると「この子はこういうタイプだな」と分かるようになります。性格を掴む上で、非常に良い材料になっています。